稼ぐキャバ嬢は「テンションの上げ方」を知っている――歌舞伎町10億円女社長の教え
さらに次の席は、1人で来客されたテンションの高いお客様でした。
その日、お客様は商談がうまくいったようで、饒舌に仕事の話をされていました。にもかかわらず、私は前の席で話していた広島時代の話の続きをペラペラと話し続けていました。
「ちょっとトイレに行ってくる」とお客様が席をはずして帰ってきた後、私は黒服から席を離れるように言われました。どうやら、お客様がトイレに行ったときに「あのコ、チェンジで」と言ったようです。
それを聞いた私はすっかりテンションが下がってしまい、その後はずっとテンションがだだ下がりのまま仕事を続けました。
営業が終わった後、店長が面接をしてくれました。
店長「今日は一日どうでしたか?」
私(あやか)「まだ慣れなくてよくわかりません」
店長は私の接客をずっと見ていたようで、「あやかちゃんが楽しいお客様の前では楽しくなり、楽しくないお客様の前で仏頂面になる気持ちはとてもよくわかります」と、静かに話しはじめました。
「接客をしているのはお客様ではありません。もしお客様にあやかちゃんが接客をされているなら、今のあやかちゃんのように気分が良ければノリノリで、気分が悪くなれば、仏頂面で構いません。だけど、それならお客様にお金を払わないといけませんよね?」
そして店長は以下のことを教えてくれました。
「他人に褒められたり、大好きな人たちと盛り上がったり、自分のテンションがマックスになったときに、自分がどういう発言をして、どういう行動を取って、どんな気分でいるかをよく覚えておくことが大切です。
そして、プライベートが絶不調なときや、嫌な気分になってしまったときに、その感覚を思い出して、自分がテンションマックスのときに取る言動を再現して、自らテンションを上げるように振る舞うと、お客様も楽しい気分になります」
私は店長の言葉に驚いて声も出ませんでした。なおも店長は続けます。
「もし『お客様が元気ないな』と感じたときは、お客様のテンションが上がるツボ(この話題を出すと、この歌を流すと、必ずテンションが上がる必勝パターン)を覚えておいて、そこを押してあげるとお客様も元気になるからね。
お客様が小くらいのテンションでいらっしゃったときは、自分からしゃべりかけ、自分のマックスのテンションで、中くらいのときは自分の日常のテンションで、大のときはお客様の話を聞き、自分は小のテンションで接するのです。そうやって、お客様のテンションを見極めながら接客することがコミュニケーションなんです」
お客様に一方的に話続けた結果
店長が教えてくれた接客の極意
新宿歌舞伎町キャバクラ「アップスグループ」オーナー。株式会社アップス代表取締役社長。津田塾大学卒業。25歳のとき、当時勤めていた外資系IT企業をやめて、歌舞伎町にキャバクラを開業。現在、歌舞伎町にキャバクラを4店舗、銀座にクラブを2店舗展開するまでに。キャバ嬢の育成やキャバクラの立ち上げ、経営改善のコンサルティングなども行い、グループ年商は10億円にもおよぶ。著書『劣等感を力に変える 成り上がる女の法則』が発売中
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