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麻雀・Mリーグ発足を素直に喜べない業界の本音



木曽崇:いやいや、亡くなったのはたまたまでしょ(笑)。だけど、なんかこう時代が変わっていくターニングポイントという感じはしますよね。

POKKA吉田:小島武夫が阿佐田哲也や古川凱章と結成した麻雀新選組、あれってギャンブルの歴史の中ではアカン人たちやんか! ヤクザの代打ちとかしてるわけやろ(笑)。小島さんの打ち方って面白くて、テレビとか出ててもすげぇ楽しかったけど、ああいうのを、実際の、すげぇカネが動く現場でもやってはったわけよね、たぶん。

──すごいですよね。ジュンチャン三色を狙って出来合いの面子を落としていきますから(笑)。

POKKA吉田:そういうの、シビれるやん! 阿佐田哲也の『麻雀放浪記』も雀鬼の桜井章一さんとかも、アカン世界やけど切った張ったで楽しいわけじゃん。カネに命をかけてる。麻雀というコンテンツのそういうところに魅力を感じてる人たちにとっては、やっぱ健全化の動きには反発したくなるだろうね。ギャンブルを肯定するという意味じゃなくて、だから麻雀は面白いねん、っていうレベルの話。

木曽崇:でも麻雀界の改革者として、藤田晋さんというのは高く評価されるべきだと思いますよ。僕は雀荘経営者の団体「全雀連」なんかともお付き合いがあるんですけど、幹部連中が平均年齢70歳オーバーとかでもう老い先短いので、あと10年先まで業界がもてばいいという考え方しかしないんです。今のまま、あと10年もってくれれば自分は死ぬ、みたいなスタンスで業界の基本的な方向性を定めようとしがちなんですね。だから麻雀業界もこのまま死んでいくしかないんだろうなって個人的には思ってたんですが、そこに彗星のごとく現れたのが、サイバー藤田。

POKKA吉田:彗星だよな~本当に。

木曽崇:あの人、1人のせいで、えらいことになってるから(笑)。

──先ほどPOKKAさんが、シビれる時代の雀士として名前を挙げた桜井章一さんって、藤田さんの師匠ですよね?

木曽崇:僕もそう聞いてます。桜井章一さんが主宰している雀鬼会の麻雀道場『牌の音』に通っていたらしいです。

──雀鬼会は、打ち方のルールがすごく激しいそうで、背筋を伸ばして! 発声を強く! とか。リーチまでドラを切っちゃいけない、とかいろいろあるみたいですね。

POKKA吉田:桜井章一さんが阿佐田哲也と麻雀を打ったときのエピソードが、いいんですよ。桜井さんはやっと心の師匠に出会えたと思いながらずっと卓を囲んでるんだけど、ふいに阿佐田哲也から「桜井さん、なかなかフリコミませんね」って言われたらしい。そこで桜井さんはすっげぇ自問自答して、気づくわけよ。「俺はまだまだやった! 全然ふりこまないで勝つだけが美学じゃねぇんだ!」って。ホンマかよくわからんエピソードやけど、麻雀はコミュニケーションなんだと。こういうところは賛成ですよ。勝負ごとに生きざまを投影するっていうのは、俺は嫌いじゃないし、その思想に心酔する人が塾生門下になってそれを体現するのも悪いことではないと思う。だから藤田さんの麻雀愛は本気にしか見えない。だって、AbemaTVって儲かってるように見えないんだもん(笑)。

木曽崇:そうです、あれは本気です。AbemaTVは儲かってないどころか、大赤字ですよ(笑)。

【POKKA吉田】
ぱちんこジャーナリスト。パチンコ業界紙『シークエンス』の発行人・編集長。近著に『パチンコが本当になくなる日』(扶桑社)などがある。メーカーが主催するセミナーで講師も務めている。 Twitter @POKKAYOSHIDA

【木曽崇】
国際カジノ研究所所長。日本では数少ないカジノ産業の専門研究者。近著は『「夜遊び」の経済学 世界が注目する「ナイトタイムエコノミー」』(’17年、光文社新書) Twitter @takashikiso

<構成/勝SPA!取材班>
勝SPA!

SPA!が運営する日刊SPA!内のギャンブル情報サイト「勝SPA!(かちすぱ)」の取材班。Twitter(@kspa_official
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