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映画看板、妖怪絵画、ヤギロボット、大魔神…珍スポットと化したボートレース江戸川のオンリーワンな魅力

 また、場内を回ると、いたるところに『突然の竹やぶ』……のイラストが出てくる。川沿いなのになぜ竹やぶなのか。もはや答えはいらない。悩むだけ悩めばいいと思う。
つきあたりの竹やぶ

場内いたるところに竹やぶのイラストが登場するが理由は不明だ

 さて、競走水面に出ようとすると、いきなり階段を登ることになる。ここは中川だ。『堤防を登らなくてはいけない』のである。レースが開催していないときは、水面・堤防とスタンドの間の道は本来道路でクルマを通すときもあったりする。要するに道路を横断して堤防を登って川にたどり着くという河川敷と何も変わらない動きを求められるのである。
堤防

ちょっと川の様子を見てくるためには堤防を登る必要がある

 堤防を登り切ると、河川に大時計、紅白のブイ、ボート、対岸の高速道路、さらに先にはスカイツリーまでいっぺんに視野に入る。よくよく背後には船堀タワーもあって、東京らしさを手軽に凝縮して見ることができてしまう。ちなみに入場料は100円。たった100円で“東京の濃縮”された姿を見ることができるわけだ。おまけに映画看板と大魔神、そしてヤギも……。  そして堤防を下ってから振り向けば『水木しげるの東海道五十三次』がずらりと飾られている。大量の妖怪による東海道五十三次イラスト作品だ。水木しげるさんは江戸川に縁があったのかは知らないが、ボートに縁がありそうな漫画家というと、別な人が浮かぶのだが……。そもそも、江戸川って東海道じゃないんですけどね。
鬼太郎遊歩道

鬼太郎遊歩道と名付けられた堤防スタンド一帯に広がる55枚の水木しげる先生による作品・妖怪道五十三次(ボートレース江戸川公式サイトより)

 さあ、レースを見ようと思っても、予定通り始まらないことがある。『江戸川時間』とも言われるおおらかなレース進行の理由は『航行船の通過』だ。中川は普通の河川のため、開催中であろうが水路なので船も普通に通る。船の波が静まるまでレースが遅れるのは「江戸川の日常」だ。江戸川に慣れた客であれば、予定通りレースが終わるなんて誰も思っていない。東京の人は時間に急かされて生きていると勘違いされがちだが、江戸川人ほど時間に急かされず、悠久の時を堪能している人はいないのである。
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