映画看板、妖怪絵画、ヤギロボット、大魔神…珍スポットと化したボートレース江戸川のオンリーワンな魅力
実際にレースが始まっても、水面は激しく波立ったりすることがある。海沿いで川幅も狭く、風が吹き抜ける江戸川では水面が荒れる日がよくある。あまりにも水面が荒れるため、あるシフト制勤務の江戸川ファンは最終日の優勝戦に合わせて仕事を休むようにする……だけではなく、水面悪化による日程順延を見越して、最終日予定の翌日まで休むように調整するのが当たり前だったりする。
レースが始まるとホーム側にはおじさんたちがズラリと並んで殺気立っている。しかし、向こう側を見るとこちらはジョギングや犬の散歩をしている人、高校生カップルたちが自転車で走り抜けるなど牧歌的な世界が広がっている。川を挟んでまさに天国と地獄。このバックストレッチ側からレースを見ることができるのも、日本のボートレース場でも有数の環境だ。
そして江戸川は賭場としても最強の面がある。それは場外発売場「365」で「日本最大12場発売」をしているという点だ。現在1ヶ所で12場のレースが買えるのは江戸川と平和島だが、江戸川が元祖だ。12場分の3連単オッズ画面なんてものもある。実際に見ていただければわかるが、耳なし芳一の如く12個すべての画面全体にオッズの経文がびっしり表示される様は一度でいいからご覧頂きたい。
カオスだ。地元なのにそう思う。
だが、決して施設としては大きくない江戸川の随所にこれだけ「他に絶対ないやつ」があるのは奇跡だと思う。私の地元、変な場所だけど、確認のつもりで一度は来てほしい。
取材・文/佐藤永記(シグナルRight)
公営競技ライター・Youtuber。近鉄ファンとして全国の遠征観戦費用を稼ぐため、全ての公営競技から勝負レースを絞り込むギャンブラーになる。近鉄球団消滅後、シグナルRightの名前で2010年、全公営競技を解説する生主として話題となり、現在もツイキャスやYoutubeなどで配信活動を継続中。競輪情報サイト「競輪展開予想シート」運営。また、ギャンブラーの視点でプロ野球を数で分析するのが趣味。
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