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転職したら職場で孤立…デザイナーになる夢をかなえた30代男性の悲劇



信用を取り戻すため奔走も、味方がいなかった


「一度失ってしまった信用を取り戻すのは大変なことです。でもそこにいるためには、やるしかない」

 名誉挽回するには、結果を出すしか道はなかった。だがプロジェクトチームのメンバーとコミュニケーションが取れないために、やり方がわからず、結果も出せない。そのため、ますます四面楚歌になってしまった。

「焦っても、もがいても、味方が誰もいないんです。新しいデザインどころじゃない。出社しても誰も話しかけてくれない。どんどん追い詰められていきました」

 入社して数ヶ月、女性社員たちの進言が理由か、とうとうプロジェクトチームから外された庄司さん。次なる仕事は、出荷業務だった。

転職失敗 「そこでは、シャツやジャケット、ズボンなどの注文商品を一つ一つ畳んで梱包し、配送準備をするのです。社員は指示するのみで、仕事は派遣の女性が担っていました。ところが僕は派遣女性と一緒にシャツやズボンを畳むように指示されてしまって。畳むのが苦手で、派遣の人から『使えない』と陰口を叩かれて。そこでも孤立してしまいました」

 強度のストレスが続き、庄司さんはめまいが頻繁に起こるようになった。病院にも通ったが、症状は悪化してしまう。

「限界でした。一年も経たないうちに、辞めました」

 職場を紹介してくれた部長に申し訳ない気持ちから、元の職場に戻ることだけは避けたかった庄司さん。その後、望んだ会社への就職は叶わず、体調も芳しくない。現在は行政書士の友人の事務所を手伝いながら、趣味でデザイン画を描いている。

「その内、これがお金になっていけばいいかなと思っています。副業でもいい。僕はとにかく好きなことを続けようと思います」

 こう語る庄司さんだが、収入は会社員時代から大幅に減っている。現状、再就職をするつもりはないとのことだが、彼が好きなことで生活できる日は果たしてくるのだろうか。〈取材・文/夏目かをる〉

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