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「がん保険」はぼったくり…民間の医療保険は本当に必要か?

 三大疾病「がん・脳卒中・心筋梗塞」が急激に増える40~50代。実際にそれらを発症しながら生還した人、病の実情と生き残る方法や気になる治療費など徹底取材した。今回は本当に必要な保険とは何か考える。 [早死にしない]生き方

命とお金の天秤の不正解。本当に必要な保険とは!?

「ほとんどの病気は、健康保険と50万円程度の貯蓄で対応できると見ています」と語るのは、保険コンサルタントの後田亨氏だ。その理由は? 「三大疾病において、安全と有効性が証明された標準治療は既に保険適用になっています。保険適用外の先進医療とは、実効性が十分証明されていない治療です。また、健康保険には所得や年齢によって支払う医療費の上限が決まる『高額療養費制度』があります。自己負担額が抑えられるんです。  例えば、年収336万~600万円だと、自己負担の上限は4か月目までは月『8万100円+α』で、それ以降はさらに引き下げられます。私の顧客の現役医師たちも『大病であっても、保険適用の治療を受ける限り、医療費は50万円程度まで見ておけばいい』と言います」  とはいえ、「命とお金は天秤にかけられない」という考え方もあるが……。 「国立がん研究センターのデータによれば『現在40歳の男性が10年以内』にがんと診断される確率は1%。50歳で5%です。これらの確率から計算すると『がん保険』の保険料は暴利を疑われる水準です。  健康保険が使えない治療なども含め『あらゆる手を尽くしたい』という気持ちは、わかるつもりですが、民間の保険でお金を用意するには、妥当とは思えないコストがかるのです。広告などに恐怖を煽られてはいないか、冷静に判断すべきです。加入するにしても、会社員は社員向け団体保険から検討したほうがいいです」  特に終身型に飛びつくのは、愚の骨頂だ。 「遠い将来のリスクを正しく把握できる人などいませんから、長期契約になるほど保障内容が時代に合わなくなる可能性が高まります。保険が有効なのは、当面の保障なのです」
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有効な保険の入り方は?
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