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なぜ皇室は男系継承にこだわっているのか?/倉山満

降下させられた旧皇族家の皇籍復帰

 しかし、現在の皇統は一本の糸でかろうじて繫がっているような状態だ。悠仁親王殿下ご即位の時には、支えるべき皇族が一人もいなくなる。  そこで先週も取り上げた、GHQに臣籍降下させられた旧皇族家の皇籍復帰を考えねばなるまい。具体的には、国会でも話題になった、東久邇宮家の皇籍復帰を考えるべきだ。 明治天皇系・昭和天皇系の系図 先日亡くなられた元皇族の東久邇信彦氏は、祖父祖母の4人ともが皇族だ。男系では崇光天皇の子孫で血が遠いが、昭和天皇の孫であり明治天皇の曽孫でもあった。信彦氏の直系男子の方々の皇籍復帰と東久邇宮家の復活を検討すべきではないか。  私は男系死守を絶対の信念としながらも、女系論に一定の理解を持っていたつもりだ。高森明勅(あきのり)氏と言えば、女系論を唱えたが故に保守論壇では発言の場を与えられなかったが、私が主宰する倉山塾及びチャンネルくららで、十二分に持説を語ってもらったこともある。  もちろん、弓削道鏡(ゆげのどうきょう)の如き君臣の別を弁えない男の皇室入りを可能にする女系論には反対だが、内親王を旧皇族家に嫁がせた明治天皇や昭和天皇の大御心に適う意味での女系論は考慮の余地があると考える。  男系で崇光天皇、女系も考慮すれば明治天皇と昭和天皇の子孫である東久邇宮家の皇籍復帰こそ皇統保守の喫緊の課題ではないだろうか。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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