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「ポスト安倍」に菅官房長官が急浮上したワケ

統一地方選で麻生・二階・菅の3氏明暗分かれる

 スピード更迭の背景にあるのは、夏に迫った参院選だ。「安倍首相は『(失言が)参院選直前でなかったのがまだ救い』と漏らした」(全国紙記者)という。政治ジャーナリストの藤本順一氏も次のように話す。 「新元号発表の直前に行った自民党の情勢調査では、参院選での予想獲得議席数は60と出ていました。改選議席は68なので若干減りますが、それまでの予想議席は50程度で推移していたので大きく回復してきている。新元号発表後に内閣支持率が軒並み急上昇(共同通信の調査では前回比から9.5ポイント増の52.8%)したことを考えると、さらなる上積みの余地もある。  実際、統一地方選の前半戦では全国的に地方議員の定数削減が進むなか、自民党は議席を増やしている。当初、惨敗が噂されていた参院選に光明が差したこともあって、早期に閣僚の不祥事の幕引きを図ったかたちです」
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※写真は首相官邸公式Twitterより

 そんなドタバタ劇のなかで、話題を集めているのがポスト安倍レース。『文藝春秋』で二階氏が「菅氏も十分資格あり」と語って火が付いた。 「新元号発表会見と統一地方選を経て、菅氏の存在感は着実に高まった。福岡県知事選では麻生氏が強引に擁立した新人候補が惨敗し、大阪府知事・市長選挙では二階氏が初日から応援演説に入って推薦候補を支援しましたが、維新に敗れました。和歌山県議選でも二階氏のおひざ元で、元秘書の現職候補が共産党の新人に惜敗。さらに、麻生派の塚田氏、二階派の桜田氏の辞任劇も続いた。  一方で、菅氏は法政大の後輩にあたる鈴木直道・前夕張市長を北海道知事選に送り込んで、与野党直接対決を制しました。安倍政権を支えてきた麻生・二階・菅の3氏のうち、菅氏だけが株を上げたのです。この機に乗じて、反主流派である岸田派名誉会長の古賀誠元幹事長も『(岸田は)ポスト安倍でなくてもいい』と、菅氏の名前を挙げている。今後、主流派を追い落とすべく、反主流派が団結して菅氏を担ぎ上げる可能性もあります」(藤本氏)  人気急上昇の背景には、表に出てこない好プレーもある。’96年の初当選直後から菅氏を取材し続けている政治アナリストの柿崎明二氏が話す。 「3月には旧民主党を離党して無所属だった鷲尾英一郎衆院議員が自民党入りしましたが、環境整備したのは菅氏。新潟2区選出の鷲尾氏は、昨年の新潟県知事選と市長選で野党を見限り、自民党候補を応援した隠れた功労者。以前から自民党県連が誘っていたこともあって、鷲尾氏と付き合いのあった菅氏が二階氏に預けたのです。結果的に、野党の切り崩しも兼ねた引き抜きとなりました」  ただし、柿崎氏によると「20年以上取材しているが、菅氏が首相に意欲を示したことは一度もない」とか。
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