自己啓発のコツは「自分ならどうするか?」という問いかけにある
―[魂が燃えるメモ/佐々木]―
いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第105回
人は誰でも人から影響を受けています。子供が憧れるのは野球ではなく野球選手であり、ユーチューブではなくユーチューバーです。
父親が無理やり野球をやらせようとして、子供が嫌がるようになるという話があります。子供に野球をやらせたいのなら、その前にまず野球観戦に連れて行く方がクレバーです。
実際、子供たちはネットでヒカキンを見ているからこそ、「自分もユーチューバーなりたい」と考えます。ユーチューブの仕組みを勉強して、「これなら面白いことができるぞ」と考えたわけではありません。
ユーチューバーが台頭する前のユーチューブは、たまたま撮れた面白い動画をシェアする動画共有サイトに過ぎませんでした。そもそもユーチューブが生まれたのは、創業者が「ディナーパーティーの映像を友人と共有したい」と考えたのがきっかけです。
仕組みに人が宿るようになると、それが定着します。インスタグラムのインスタグラマー、ユーチューブのユーチューバー、アフィリエイトのアフィリエイターと、語尾に「する人」を表す「er」がついて一般に認知されるようになるのは、その典型例です。
とはいえ誰かに影響を受けて始めても、単なる人真似ではその誰かのようにはなれません。練習で真似ることは勉強になりますが、人前に出してしまうと意味が変わってきます。それを微笑ましいと思ってもらえるのは小学生までです。
中学生になって自我が芽生えると、自分と他人の違いがわかるようになり、人真似を見るのもやるのも恥ずかしくなってきます。人真似で成功できるのは、それであえて笑いを取るために努力を重ねる物真似芸人だけです。
人真似で上手くいかないからといって、人を省いた理屈で考えても、なかなか上手くいきません。人が魅力を感じるのは人柄です。人柄をスポイルした「こうすれば上手くいく」という理屈はたくさんありますが、実践してみて「全然上手くいかねぇじゃん!」と突っ込んだことは誰にでもあると思います。
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コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中
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