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『探偵ファイル』の歴代編集長が明かす伝説的裏話「ヤンキーに追いかけ回され…」

 インターネット黎明期、毒々しいまでに偏執的活字の暴威でユーザーの心を掴んで離さなかったテキストサイト。栄華は短くも、ネット上に鮮やかな爪痕を残したものだ。才気溢れるその管理人たちとともに、懐かしのネットの足跡を振り返ろう。今回は伝説的バラエティサイトとして一世を風靡した『探偵ファイル』。あの過激企画の現場では何が起きていたのか、歴代編集長が一堂に会し、当時を追憶する。

バラエティ情報サイトの元祖、「探偵ファイル」編集長が集結!

「探偵ファイル」編集長が集結

(左から)第9代編集長・桜井えりす氏、第7代編集長・大住有氏、第2・4・6代編集長・山木陽介氏

●探偵ファイル……’01年8月、大手探偵社を母体に開設。探偵ならではの調査力や記者のキャラクターを生かし月間最高約4500万PVの人気サイトに。’03年には「ネットランナー」の「ベスト・オブ・常習者サイト」大賞受賞 探偵ファイル●第2・4・6代編集長・山木陽介氏……「探偵ファイル」の顔として日本刀を使った「斬鉄剣」シリーズや体当たりの格闘技コーナーなどで人気を博す。現在は調査会社などを経営。日本の探偵で最も有名な一人 ●第7代編集長・大住有氏……「食べ物の限界に挑戦」シリーズなどのネタが大人気。転職時、ヤフオクで自分自身を出品し90億円の値をつけ話題となる。現在はフリーでネットでの「演出」をアドバイスする仕事を行う ●第9代編集長・桜井えりす氏……20歳で探偵ファイルに参加。「乳de書道」などのお色気ネタが人気を博す。ネット発のグラビアアイドルとして『SPA!』誌面に登場したことも。現在は1児の母でライター

探偵ファイル座談会

山木:サイトの前身である「探偵軍団」時代は、母体であるガルエージェンシー代表・渡辺文男氏の個人サイトの風合いが強かった。その後、渡辺氏が私財で記者を募集して「探偵ファイル」に変わったんです。「探偵」というワードで検索1位になるのがサイト目標で、他のテキストサイトと違うのは皆が社員としてやってた点ですね。 えりす:担当してるコンテンツのPV数を意識する必要はあったけど楽しかったですね。 大住:「会社」として取材や企画に対する「予算」も出てましたね。 ――今だったら炎上するようなネタも普通にやってましたね。 大住:ホルマリン漬けの死体の上でコックリさんとかやってましたから。 えりす:スポンサーから出た5万円を全額費やして「納豆風呂」を作るとかね。今なら炎上確実。 大住:今はYouTuberが似たようなことで炎上してるよね(笑)。 えりす:探偵ファイル全盛期の記事は、今ならほとんどがコンプライアンスに引っかかりますよ。 山木:『JACKASS』というアメリカの過激番組があって、それが大好きな湯沢君という記者がその路線でやりたいといって。バイクやモーターボートで引きずってみたりとか。今思えばよく死ななかったな。 大住:湖で引きずったときなんて、最初はゴムボートを下に入れてたんですけどすっぽ抜けてしまって、湯沢君が飛び石みたいに水面をピョンピョン跳ねてましたからね。 山木:次の日、彼からは「背骨が痛いんで休みます」と連絡が来ました。他にも、日本刀で顔を刺されたり、心霊スポットで撮影してたら、地元のヤンキーの車に追いかけ回されたこともありますね。 えりす:私は、巣鴨のデリヘルに写真を勝手に使われたので、写真と同じ服で突撃して「CカップじゃなくてFカップです」と言いにいったのを記事にしましたね。
第9代編集長・桜井えりす氏

第9代編集長・桜井えりす氏

山木:某女優の顔を撮るためだけに、車とバイクで8台、探偵16人で尾行したりもした。 大住:いかなるトラブルが起きても撮影の手を止めないという不文律がありましたよね。 山木:とある取材で、僕が極寒の山奥で遭難して命からがら旅館にたどり着いたことがあったんですが、捜しに来た大住が旅館に入る様子を撮影してましたからね。 ――過激ではありますが、そうした試みが、今のネタニュースサイトの流れをつくったとも言えるのでは。 山木:前例がなく手探りだったせいもあったんじゃないかな。初代副編集長なんて、たとえばレストランでステーキを注文して「メニューと大きさが違う」とむちゃなこと言って騒ぐ。なぜそんなことをするかというと「どんなクレームが来ても戦えるよう普段から屁理屈力を鍛えるため」だと。編集長も実際、某超大手芸能事務所から抗議電話が来たときも「え? どうかしましたかね」などと超強気で対応してて。
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探偵ファイル時代を一言で振り返ると?
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表紙の人/ 日向坂46

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