更新日:2019年09月27日 15:15
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「安倍-枝野体制」という、ふざけた共犯関係/倉山満

「安倍か、反安倍か」の二択しかない不幸

 思えば、安倍内閣には常に救世主が現れた。海江田万里、岡田克也、蓮舫、そして枝野幸男。安倍内閣など「民主党よりマシ」以外に何の実績もないのに、6年もの長期政権化したのは、ひとえに野党第一党の絶大な支援があったからだ。  今回の選挙で最大の争点だったはずの、経済政策を例にあげよう。  安倍内閣は、アベノミクスと呼ばれる金融緩和政策により景気を回復軌道に乗せている。しかし、消費増税が金融緩和の効果を破壊している。結果、不十分な景気回復しかしていない。  本来ならば、「デフレ脱却前の増税など論外である。金融緩和をもっと徹底しろ」と批判すべきである。  ところが、今の野党の批判は的外れだ。今次選挙になってようやく増税反対を旗印に掲げたが、日ごろは財務省の顔色を見て、本気で反対は主張しない。それどころか、金融緩和への批判ばかりを続ける。  無能な安倍内閣と的外れな野党。日本国に、「安倍か、反安倍か」の二択しかないことが不幸なのだ。そして、決して正論が発言力を得ることはない。正論の封殺。これが「安倍枝野体制」の本質である。  間違ってはならないのは、「安倍か枝野か」の二択ではない。安倍と枝野は共犯関係なのだ。  はっきり言わせてもらうが、安倍晋三さん、あなたの存在自体が日本の害悪なのだ。そして、それを許容しているのは、枝野幸男さんら、歴代野党第一党の党首だ。  財務省を恐れ、たかが景気回復すらできない人間が「戦後レジームからの脱却」など、もはや冗談だ。政治家が官僚の言いなりなら、選挙の意味がないではないか。  かつて私は、「安倍救国内閣」を切望し、行動した。それは、「救国」を求めたのであって、何もせずに政権に居座る今の安倍内閣を望んだのではなかった。  確かに最初の半年は、いい夢を見せてもらった。日銀人事に介入し黒田東彦総裁と岩田規久男副総裁を送り込み、景気回復を推し進めた。あのまま2年も続けていれば景気はとっくに回復、戦後レジームからの脱却にも手をつけていたかもしれない。
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安倍自民党は自分で「民主党よりはマシ」と言い出した
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1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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