更新日:2019年09月27日 15:15
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「安倍-枝野体制」という、ふざけた共犯関係/倉山満

安倍自民党は自分で「民主党よりはマシ」と言い出した

 ところが、政権復帰からたった半年後の平成25年10月1日。半年後の消費増税を発表させられた。消費増税を求める時の財務事務次官木下康司に、抗しきれなかったからだ。安倍首相は「デフレ脱却前の消費増税はやらない」と言い切っていたが、あれは何だったのか? 財務省の何が怖いのか?  その後も、だらしない。確かに、二度にわたり消費増税を延期した。あくまで延期だ。しかも、その都度、国政選挙で信を問うている。しかも恥ずかしいことに、「代表なければ課税なし」とまで宣言して。 「代表なければ課税なし」とは、独立戦争以来のアメリカ合衆国の理念で、「選挙で選ばれた代表が認めない限り、増税はしない」との意味だ。「主権者である国民から税金を取りたければ、選挙で信任を得よ」の意味だ。  ところが安倍首相は、財務省が求める増税を、たかが「延期」するために国政選挙で信を問うた。これでは、国民主権ではなく、官僚主権だ。  しかも、内実はお寒い限りだ。一回目の延期では、当時の香川俊介財務次官は末期がんで身動きが取れなかった。その後は財務省の凋落が言われたが、三代続けて無力な次官。二回目の延期も、その間にすぎない。ところが、本流で実力者の岡本薫明財務次官就任となるや、たちどころに「増税をやり抜く」と宣言し、今に至る。何のことはない、財務省が弱っていただけなのだ。  今回の選挙で安倍自民党は自分で「民主党よりはマシ」と言い出した。もはやそれしかないのだろう。  国民が政治そのものへ不信任しても、責任は政治家にある。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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