羽田圭介の考える老後資金の稼ぎ方「“老後2000万円問題”は騙し」
iDeCo、投資信託、ETF、そして米国個別株と、羽田氏はさまざまな資産運用にも取り組んできた。
「日本でハイパーインフレが起きたり、金融資産を没収されたり口座を凍結される可能性もある。優先すべきは、ルールが激変しても、新たな世界で稼ぎ続けられる能力の保持です。現実的なレベルでいうと、インフレを考えたら貯金より資産運用にお金を回したほうがマシという程度。
私の場合は、投資を題材にした小説を書こうとしているので、ネタとして資産運用しているというのが正直なところ。そもそも己の実現したい人生に、本当にお金は必要ですか? 身近に相談相手や遊び相手がいることのほうが大事じゃないですか? それでもお金が必要なのであれば、本業や副業で増やすべき。投資に過度な期待はしないほうがいい」
投資よりも本業で稼ぐ。それが羽田氏の持論だ。
「株やFXといったペーパー資産の運用を知ると、大抵の人は視野が狭くなりその枠の中だけで増やそうとする。それより、よそからお金を借りて利回りのいい何かに投資するほうが、はるかに効率がいい。お金を借りるには信用が必要だから、本業を頑張らないといけない。
自分の場合、本業や好きなことに割ける時間がなくなるのが嫌なので、ほっておいても大丈夫な運用しかしていません。お金より時間のほうが大切。株に関しては稼ぎたいというより、植物の成長を楽しむみたいな感じですね」
何に重きを置くかによって、お金の価値観は変わってくる。投資に過度な期待はせずに、「お金に関する知識が増えればいい」くらいの考えでやったほうが、案外うまくいくのかもしれない。
お金よりやりがいと時間。稼ぐことを目的とせず、稼ぎながら人生を楽しめ!
【羽田圭介氏】
’15年、「スクラップ・アンド・ビルド」が芥川賞を受賞。「100年大学 お金のこと学部」の開学記念特別講座で自らの投資歴を披露する
羽田圭介の提言
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