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50万のロールスロイスを実質10万で乗っていた“中古の達人”が目利きで失敗した話

 腕時計投資家の斉藤由貴生です。私はクルマが好きなため、これまで数十台のクルマを乗り継いできた経験があります。これまでの記事では、「うまくお得に中古車と付き合う方法」をお伝えしましたが、そういった境地に至るまでに失敗がなかったわけではありません。  ということで、今回は、私が最も失敗した中古車の話をさせていただきます。

15万kmのロールスロイスは車検整備に90万円!でも……

 私が免許をとったのは今から15年前のことなのですが、その頃の私は、「ダメな中古車を安く買って、自分で復活させることができる」と信じていました。免許を取る前の私に、当時の大人たちが「程度の悪い中古車は買うな」とアドバイスをしてくれたのですが、私は自らの知識を駆使すればなんとかなると信じていたのです。  程度の悪いクルマは安いですし、それを再生させるということは、文化保存の観点でも、モノを長く使うというEco的にも世の中に貢献できると、私は思っていました。    そんな私が最初に買ったクルマは、約15万km走ったロールスロイス。上級者からすると、選んではいけない選択肢だったといえます。

50万円で買った1989年式ロールスロイスシルバースパー

 そして、そのロールスロイスは案の定、車検整備で約90万円がかかることとなったわけです。ここまでであれば、「若者よ、ほらみたことか」となるわけですが、当時の私はそのロールスロイスを高値で売ることに成功。買った値段と整備費用を考慮しても、実質10万円で乗ることに成功したのです。  その結果、私は、仮にダメなクルマを買ったとしても、自分でなんとでもできると思ってしまったのです。  そうして、ロールスロイス売却から2年の間、私は5台以上のクルマを購入。どのクルマも「買って⇒乗って⇒買った値段に近い額で売る」ということを重視したため、実質の支払額はかなり安く済ませることができました。  そのようにして、数台のクルマとうまく付き合えた私は、完全に油断していたといえます。

マツダの高級クーペ・ユーノスコスモとは?

 調子に乗っていた私が、「これならロールスロイスやベンツより楽勝」と思い、セカンドカーに選んだクルマ。それが落とし穴のような存在でした。そのクルマこそ、ユーノスコスモであります。  ユーノスコスモは、1990年に登場したマツダの高級クーペで、同時期に登場した、ホンダNSX、日産インフィニティQ45、トヨタセルシオなどと同様、メーカーのフラッグシップモデルとしてデビューしました。他のメーカーが、それぞれ、アキュラ、インフィニティ、レクサスとして、海外での販売を行っていたのに対し、コスモは「ユーノス」というブランドを与えたにもかかわらず、日本国内のみでの展開でした。  また、エンジンは、ロータリーなのですが、上級グレードには3ローターエンジンが搭載。3ローターエンジンを搭載した市販車は、後にも先にもユーノスコスモのみであるため、今では海外からもレアカーとして注目されていると感じます。

ユーノスコスモ20BタイプE。紺の外装にベージュの本革シートという組み合わせがベストだと感じる

 コスモの魅力は、そういったメカニズム的な部分にとどまらず、先進的な内装も特筆すべき点があります。最上級グレードの20BタイプEの内装は、オーストリア産の本革シートと、イタリアの本木目。内装のデザインもオリジナリティが高く、なおかつ素晴らしくオシャレな見た目です。それでいて、世界初のGPSナビゲーションを搭載するなど、クルマ好きをうならせる要素がてんこ盛りとなっているのです。  私は、キャデラックやベンツSクラスなど、ラグジュアリー寄りなクルマが好きなので、コスモのようなクーペは、ストライクゾーン。そのため、免許を取る前から、ユーノスコスモというクルマに興味があったのですが、ロールスロイスやホンダNSXなどを先に購入していたため、なかなかコスモに手が出せていなかったのです。  そのとき、だいぶ中古車に慣れていた私は、日本車は輸入車より維持費が安いという経験則に基づいて、「ロールスロイスやベンツより楽勝」と思い、セカンドカーとして購入することに至ります。2006年頃、ユーノスコスモの市場価格はとても安く、中古車店の売値でも50万円以下という価格は珍しくありませんでした。  私は、20BのタイプEというグレードが欲しかったので、オークション代行で買うことにしたのですが、当時でもそのグレードはなかなか出てきませんでした。  それに対して、13BならタイプEが頻繁に出てきており、なおかつ相場も安く、かなり手が出しやすい状況。私は、コスモのスタイリングと、タイプEの本革内装を最重要視していたので、2ローターの13Bでも良いという結論に達します(13Bはイタリアの木目ではありません)。そうして、私はオークション代行で20万円という格安価格で評価点4点のコスモをゲットしました。
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20万円のユーノス・コスモで10万円の損
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もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう

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