更新日:2023年04月20日 12:28
仕事

転職者が面接で見せたのは他人の作品? 性善説で採るお人好し日本企業

嬉しい誤算もあったが…突然の退職理由

 だが、会社にとっては嬉しい誤算もあったと、筒井さんは続ける。 「『彼女はアシスタントとしての能力が非常に高い』というのが、デザイン部総じての意見でした。とはいってもデザイン面でのアシストではなく、打合せ時の気配りや資料作りスピードへの評価だったようですが」 「あの時は、彼女に居場所が見つかって良かったと、人事部一同安堵しましたよ」と筒井さんは述懐するが、安心もつかの間、彼女が退職を申し出てきたという。 転職 「別のデザイン会社にデザイナーとして転職するとの話でした。そこの会社は能力だけでなく、デザイン経験3年以上が採用条件のはず。今度は経歴詐称までしたのでは…? と、冷や汗をかきましたね。でも、ウチから先方にそれを伝えるのもな…と。結局、温かく見送ることにしました」  あくまで疑惑だが、なぜ嘘をついてまでデザイナー職に固執するのか。能力がなければ気まずい思いをするのは自分自身ではないか。筒井さんの話を聞き、この女性が何を考え、何がしたいのか。到底理解できなかった筆者である。  前述の「リファレンスチェック」(前職調査)が普及しない日本企業は、お人好しなのかもしれない。<取材・文/夏目かをる>
コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。ブログ「恋するブログ☆~恋、のような気分で♪
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