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ビジネスの世界に「万人受けは不要」歌舞伎町の女社長が語る

ビジネスの世界に万人受けは不要

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※画像はイメージです

――自分の世界を確立することが大切なんですね。ほかにビジネスマンに向けたアドバイスはありますか? 内野:キャバクラの世界では「万人受けを狙う必要はない」と、私は良く教えているのですが、それはビジネスにも通じる法則だと思っています。 ――どういうことでしょうか? 内野:歌舞伎町ってなにもない女の子がある日突然、一攫千金を稼ぐことができる場所だと思うんです。それこそ、上京したての女の子が一晩で1000万円稼ぐ「歌舞伎町ドリーム」という言葉があるくらいに。  そんな世界で稼げるキャバ嬢は、「わたし」が成功するために、全力を尽くしているんですが、一方で稼げないキャバ嬢はベクトルが「他人」を向いていることが多いです。お店の人に気に入られるために媚を売ったり、先輩にイジメられないように必死で挨拶をしたり、先輩から逆恨みさないように無難な接客までしたりします。  つまり、売り上げを上げるには数をこなす必要がある半面、数をこなそうとして誰にでも好かれるように振る舞ってしまうと、誰の印象にも残らない女の子になってしまうんです。 ――なるほど……。 内野:つまり、稼ぐ人になるには、万人に受け入れられるため、あれこれ他人に気を遣ったりする必要はない。  もちろん仕事で成功するには、営業でも、開発でも数をこなすのは大事です。ただ、それ自体を目的にしてしまうと、何も特徴のない存在に成り下がってしまいます。むしろ「わたし」にベクトルを向けて、この仕事必要ないし、気を遣っても仕方ないと割り切ったほうが、仕事で結果を残せると思うんですよね。

キャバ嬢の教育は変わった

内野彩華――内野さん自身、お店で働く女の子に新人教育したりすることはあるんですか? 内野:女の子の教育はやっていますが、昔と違って、いまはアルバイト感覚で働いている子が多いので、その女の子、女の子にあった売り方を話すようにしています。  それこそ最近は、キャバ嬢がテレビに出演したり、「なりたい職業」の上位にランクインするくらいになってきたので、本気で働いているのは2割、あとは大学生や会社が終わってからのアルバイトです。  彼女たちはお礼のLINEは送らないし、接客中にあくびもしたり、つきあいでアフターはいかないし、休日ゴルフに行ったりしてお客様とつきあわないです。それでも、やり方さえ身につければ、アルバイトでも1か月に軽く数百万円を売り上げられるようになります。わたしたちの課題は、アルバイトの子をいかに売らせるようにするかにかかっています。 ――人それぞれ考え方や背景がある女の子に、どういう教育をしているんですか? 内野:わたしは必ず、女の子に「どういう風になりたいのか」ってことと、「10年後にどうなってたいか」を聞いてからアドバイスするように注意しています。お店側から見たら、ひたすら売上てくれるキャバ嬢がありがたいですが、キャバ嬢にとっては、やみくもに売れることが必ずしも幸せとはいえないからです。  それでも、人生のなかで1年でも、3年でも、5年でも、10年でも「わたしキャバ嬢をこの期間やったから今のわたしがあるんだね」と思ってもらえるよう日々頑張っています。 <取材・文/日刊SPA!取材班 撮影/スギゾー>
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