コロナ後に廃れる夜の店と復活する店…ド底辺キャバ嬢が考察してみた
全国における緊急事態宣言により、休業を強いられているキャバクラなどの夜の店。今なお終わりが見えない厳しい状況が続くが、コロナ収束後の夜の世界は、どのように変わって行くのだろうか?
ド底辺キャバ嬢のカワノアユミが、現役キャバ嬢の意見を元に考察してみました。
まず、話を聞いたのは歌舞伎町のキャバクラに勤務するリアさん(仮名・23歳)。リアさんは、今回のコロナ禍で歌舞伎町で起きた某有名キャバクラの炎上騒ぎについてこのような懸念を示す。
「メディアにもよく登場する某有名キャバ嬢が経営するキャバクラ店で、給料の未払いが発覚して炎上したんです。そのキャバ嬢は2月に入店して、4月1日にコロナの影響でクビになったそうなのですが、3月の時給は給料明細によると都内最低時給の1200円ほどしかもらえなかったそうです。労基に通報すると息巻いていましたが、最低時給を支払っているのであれば労基の調査対象にならないと思うんですよね。今回のコロナ禍で未払いの店は、これからさらに増えていくのかもしれませんね……」
最初の言い値の時給を支払われなかったとしても、結局、キャバ嬢は泣き寝入りするしかできないとリアさんは話す。もし今後、未払いの店が増え続けるとしたら働き手側も店も激減することは間違いないだろう。だが、今回のコロナ禍で職を失った女性達が収束後にキャバクラに入店することも考えられるのではないのだろうか。
「それはあるかもしれませんね。岡村隆史さんが『コロナが明けたら可愛い子が風俗に入ります』と発言して炎上していたけれど、それはどうかなと。いきなり風俗で働く子もいないと思うし、自粛後すぐに風俗に客が戻るとも思わないんですよね。それを考えたら、スカウトマンもまずはキャバクラに可愛い子を優先的に入店させるのではないかなと思います。
でも、今回の自粛で接待の不要さが分かった企業も多いと思うんですよね。キャバクラはともかく接待の割合が多いラウンジは今後、厳しいかもしれませんね……」
ラウンジはクラブほど高額な料金設定ではないが店舗面積が広い分、家賃も人件費もかさむ。今回のコロナ不況で今後の接待費を節約する企業が増えてくるとなると、ラウンジは厳しくなるかもしれない。
一方で、コロナ収束後も巻き返すだろう……と筆者が読んでいる店も。地方にある小規模なスナックだ。コロナ禍でそこまで騒がれていないが、4月1日から健康増進法改正によって一定条件を除く飲食店が事実上の全面禁煙となった。規制の対象外となるのは、東京都以外だと客席面積100㎡以下、資本金5000万円以下の店なので、地方の小箱店は申請すれば喫煙可となる。喫煙者の常連客が多いスナックであれば、強みになるだろう。また、地方でのスナックと客の関係について、関西のスナックに勤務するユミコさん(仮名・30歳)はこう語す。
「うちはママと私がメインで出勤していて、週1で来てくれるバイトの子が3人います。バイトの子は昼職との掛け持ちなので、休業になっても『また、お店開けるまで待ってます』と言ってくれたので助かりました。お客さんは休みの間、ママが連絡をとっています。『自粛が明けたらすぐにでも行くね』と言ってくれているお客さんばかりなので、とりあえず安心しています。
最近はお客さんとの連絡をLINEでする子が多いと思うのですが、ママは昔ながらのホステスなので電話営業なんです。お客さんも、携帯電話がない時代から遊んでいる年配の方ばかりなので、そっちのほうが嬉しいようです。中には携帯電話を持っておらず、家電にかける場合もあります」
ママの人柄や昔からの常連客で持っている店は、今回の休業による影響はそこまで受けていなそうだ。また、コロナ収束後も生き残るのではないかと密かに読んでいるのが、新たにできた2つのキャバクラだ。
1つ目は、大阪を中心に展開している「コンキャバ」こと、コンセプトキャバクラ。いわゆるコスプレキャバクラなのだが、大阪では観光客向けに昼間から営業している店も多い。コロナ収束後、大阪への旅行客が戻ったときにはふたたび盛り上がりを見せるのではないのだろうか。
自粛で接待の不要さが分かってしまったから…
スナックが巻き返すワケ
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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