時には歌い手として、時にはボーカロイド楽曲を創り出す「ボカロP」として、ニコニコ動画に作品を投稿してきたまふまふ。その過程で、現在も活動しているユニット「After the Rain」のパートナーである「そらる」と出会うこととなった。 　クリエイションを通じて親睦を深めた二人は、「そらる×まふまふ」として2枚の同人アルバムをリリース。2016年4月には、レコード会社からアルバムが発売されるまでになり、『クロクレストストーリー』と題されたその作品は、オリコンの週間ランキングで2位を獲得した。
　2019年には、国民的なテレビアニメ『ポケットモンスター』（テレビ東京系）のオープニングテーマの制作者に抜擢されたAfter the Rain。まふまふがプロデュースと作詞・作曲・編曲を手掛けた『1・2・3』は、ゲームやアニメの効果音を取り入れた仕掛けが、ファンからの支持を集めた。 　人前に出たいタイプではないとたびたび話していたまふまふ。しかし、After the Rainとしての2015年のライブツアーをきっかけに、2017年1月には、初のワンマンライブツアー『ひきこもりでもLIVEがしたい！』をスタートさせるなど、ライブ会場での音楽活動に積極的な姿勢を見せるようになった。 　さらに2017年5月には、インターネット発のミュージシャンによる音楽イベント「ひきこもりでもフェスがしたい！」を主催。このライブは見事に成功を収め、以降も継続的に開催されている。
　来たる今年の3月25日には、東京ドームでのワンマンライブ、翌日の26日には、同じく東京ドームでのまふまふ主催のフェスイベントが予定されている。これからもまふまふは、インターネット発ミュージシャンのトップランナーとして走り続けていくことだろう。 ――2020年が、インターネットで音楽活動を始めて10年の節目となるまふまふ。米津玄師のように、彼の名前が日本全国に知れ渡る日も近いかもしれない。＜文／佐久間翔大（A4studio）＞