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シノギを失った裏社会の住人たちの“暴徒化”に気をつけろ

給付金、貸し付けを狙った詐欺行為も増える

 詐欺行為も増えると見たほうがよさそうだ。 「『おばあちゃん、コロナ大丈夫?』というフレーズが、オレオレ詐欺の入り口の口実に使われています。また、難解な制度の裏を付いた詐欺も動き始めています」  30万円給付の議論が持ち上がった際、極めて厳しい条件や複雑な仕組みに理解不能となった人は多い。そこに詐欺師の付け入るスキが生まれるというのだ。 「給付金の申請代行を持ちかけて、手付金を何十万円か受け取ってドロンするパターンと、実際に申請して高額な手数料を搾り取るパターンに分かれます。あとは、個人に対して一人いくらと給付される場合は、一気に人集めを始めるでしょう」  これまでも“貧困ビジネス”と呼ばれる生活保護制度を悪用したケースが存在し、生活苦に陥ったホームレスや障害者らをマンションに集めて行政からの補助金を搾取する事例などがあった。 「リーマンショックや東日本大震災での補償など、行政が大規模給付を行うと、必ず詐欺が横行します。東京電力の賠償金も、2~3割は詐欺師に流れたと言われています。貧困ビジネスを仕切っている人々の間では『これから忙しくなるぞ』という声が聞こえています」  こうした詐欺にひっかからないためには、立ち止まって判断することが重要だ。 「慌てずに一度ネットで検索して、家族にも相談してください。ネット検索する際は、ツイッターなどの検索結果が見られるリアルタイム検索も有効です」  衛生管理だけでなく、あらゆる面での自己防衛が必要になりそうだ。 <取材・文/西谷格> 草下シンヤ氏 出版業界歴20年を超え、裏稼業やサブカル系に精通。『裏のハローワーク』『半グレ』『ハスリンボーイ』『D.O自伝 悪党の詩』『雑草で酔う』『売春島』『ルポ西成』など、ヒット作に多く携わる。文庫化された『半グレ』が好評発売中
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