無敗馬デアリングタクトに死角はある?オークス注目馬を競馬の達人が徹底解説
春競馬も佳境にさしかかり、オークス、ダービーと一番競馬が盛り上がる時期になってきた。無観客競馬が続く中ではあるがテレビで、ネットで多くの競馬ファンが注目するクラシック戦線のオークス。無敗のデアリングタクトに死角はあるのか? オークスで注目すべき馬たちを競馬有識者たちに聞いてみた。
――まずは注目の最新刊『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』(ガイドワークス)を上梓した競馬予想家・TARO氏から。
~競馬予想家・TARO氏~
<注目馬>
8番スマイルカナ
16番ウインマリリン
無観客が続く競馬界だが、今週末はオークス、そして来週は日本ダービーが行われる。1年で競馬が最も熱く盛り上がる時期といって差し支えないかもしれない。特に今年のオークスはなかなかの豪華メンバー。2歳女王のレシステンシアこそ回避となったが、それ以外の有力馬はほぼリタイアすることなく顔を揃えた。その中でも主役を担うのは3戦3勝、無敗で桜花賞を制したデアリングタクト…というのが世間一般の見立てだ。だが、当コーナーでは世間の見立てとは異なる視点で、穴馬を探してみたい。
そこで注目したいのは2頭。世間にヘタだと思われている騎手が騎乗するからこそ狙いの伏兵と、言わずと知られた名手が騎乗するのに人気がない伏兵馬だ。
人気の盲点という意味で、注目は桜花賞3着のスマイルカナだ。もっとも、本来であれば桜花賞3着という戦績から、人気を集めてもおかしくない存在だ。だが、恐らくスマイルカナは人気にならない。なぜだろうか?
その理由のひとつは、柴田大知騎手。柴田大知騎手は2006~2007年には年間未勝利を経験しており、引退も囁かれた(というか多くのファンが存在すら忘れかけており、遠くないタイミングで引退するものだと思っていた)が、その後に平地・障害の両G1を制するなど復活した苦労人だ。
今回騎乗するスマイルカナは、とにかくスタートが速くスピードがあり、これまでのキャリアで逃げたケースでは4戦3勝、3着1回。一度の3着は前走の桜花賞で、つまり逃げれば確実に好走する馬なのである。2走前のチューリップ賞では丹内騎手が手綱を取って控える手に出て失敗しており、恐らく今回も逃げの手に出ることが濃厚。柴田大騎手は近年不振傾向でお世辞にも上手いとは思われていないが、馬を気分よく走らせることには長けているジョッキーだ。
しかも昨年は165連敗を喫するなど、不振を極めた同騎手だが、今年は密かに好調だ。とりわけ芝では買えるジョッキーで、2020年は先週終了時点で芝に限ると単複をベタ買いしてもプラスになっている。騎手の相場は株価のようなもので、世間がヘタだと認識すればそれだけ人気にならず、むしろ実力以上に過小評価されるケースも出て来る。特に大一番ではライト層の流入が大きく、その傾向は顕著になる。武豊だから買おう、デムーロだから買おう、という人はいても、柴田大知だから買おうという人は余程の偏屈者だろう。株価でいえば‟柴田大知株”は昨年の不振で投げ売り状態。今年はむしろ必要以上に軽視され、むしろ買いの状況なのだ。
もう一頭、伏兵で注目したいのがウインマリリンだ。過去4戦中3戦で手綱を取り、3戦3勝の好相性を誇った関東のホープ・横山武史騎手が騎乗停止になってしまったのは残念だが、替わって手綱を取るのは父の横山典弘騎手だ。
横山典騎手は言わずと知れたJRAを代表する騎手で、自在な騎乗をするアーティストタイプ。特に長丁場での印象的な騎乗が多く、あのディープインパクトの3冠を脅かしたアドマイヤジャパンでの菊花賞2着や、イングランディーレであっと驚く逃げ切りを決めた天皇賞(春)など、例を挙げればキリがないほど、数々の伝説を残してきた。もっともアーティストタイプなだけに、時に無気力に感じる騎乗もあるが、それはファンにはわからない感性ゆえのこと。ファンとしてはそれも込みで横山典ワールドを楽しむべきなのだ。
手綱を取るウインマリリン自身、前走で2000mを経験しており距離への不安は小さく、レースに注文がつかないのは強み。息子から譲り受けた手綱で果たしてどのようなレースを見せるのか。桜花賞組と比べると実績面では劣るが、その分未知の魅力には溢れている。名手が騎乗する割に人気もなさそうで、昨年12番人気で2着に好走しその後はジャパンカップ2着など活躍しているカレンブーケドール同様に「走ってみたら強かった」というパターンがあるかもしれない。
本命馬、対抗馬、穴馬という形で編集部からは依頼があったが、今回はこの2頭に注目する馬券を提案したい。
その他で注目は、もう一頭の無敗馬デゼル。こちらはまだキャリア2戦という馬だが、前走のスイートピーSでは豪快に大外から差し切り勝ち。次点を0秒8上回る上がり32秒5の末脚は強烈な印象を残した。鞍上のダミアン・レーン騎手は昨年短期免許で初来日し、数々の大レースをかっさらった腕達者だ。経験値では他馬に劣るが、素質でその壁を突き破ることができるだろうか。同じく2戦2勝で出走するアブレイズとともに、もしキャリア2戦でのオークス制覇となれば、長い歴史の中でも初めての快挙となる。
また、桜花賞4着でデムーロ騎手が騎乗するクラヴァシュドール、同5着で今回は武豊騎手が手綱を取るミヤマザクラ、同6着でルメール騎手が騎乗するサンクテュエール、同10着ながら2歳時には大物と言われた川田騎手が手綱を取るリアアメリアといった面々が有力だろうか。
桜花賞から800m距離が延び、出走馬の多くが未知の2400mに挑むオークス。昨年のような波乱が起こるのか、当欄ではスマイルカナ&ウインマリリンの2頭をイチオシの穴馬としたい。

2020年は柴田大知騎手が“買い”のこれだけの理由
世間にヘタだと思われている騎手は儲かる
子から父へ手綱を繋ぐウインマリリン
オークス展望まとめ
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