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完全解除は7月?「小池都知事のロードマップ」に批判の声

 コロナ前とは異なる“新しい日常”を取り戻せるのか? 首都・東京の緊急事態宣言解除を受けて、小池百合子都知事の舵取りに注目が集まっている。先だって5月22日には「新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ」を発表。“7つの指標”をモニタリングしながら、2週間単位で段階的に自粛を緩和していくとしたのだ。 「小池都知事池ロードマップ」が日本を疲弊させる 感染拡大の兆候が出た場合はレインボーブリッジを朱色に染める「東京アラート」を発動し、再要請の目安を上回った場合には再度の外出自粛・休業を訴えていくという。感染拡大第2波に備えて、検査や医療体制の充実も盛り込まれた。だが、そんな万全を期したはずのロードマップが不評を買っている。かつて都議として小池都政を支えた音喜多駿参院議員は「デスロードマップだ」と切り捨てる。 「最大の問題点はスピード感のなさ。緊急事態宣言下の状況を『ステップ0』とし、『ステップ3』まで到達した後に自粛・休業要請を完全解除するとしていますが、次のステップに進めるか否かを2週間単位で判断するというロードマップです。つまり、ステップ2と3を経て完全解除までに要する時間は6週間。完全解除が7月になる可能性があるのです。  もちろん、判断を前倒す可能性もありますが、その判断の目安となる指標がわかりにくい。7つの指標をモニタリングし続けると言っておきながら、なぜか目安となる指標の数値が示されているのは新規陽性者数や接触歴等不明率、週単位の陽性者増加比の3つだけ。残り4つはどこにいったのか……?  おまけに、最終的には『専門家の意見も参考に総合的に判断する』と言っていますよね。それなら、3つの目安も必要ないのでは?と不信が募ります。もう1つ、父親の立場から言わせてもらうと、学校の完全再開が2か月先になりかねないというも信じがたい。段階的に週1、週2~3、週3~4日登校という手順を踏む理由がわかりません。学校は一度もクラスター化したことがないんですから。このままであれば、東京の経済と同時に、子供の学力・生活環境の崩壊を招きかねません」  かなりの辛口批評だが、実は都知事の“身内”ともいえる都民ファーストの会からも修正を求める声が上がっている。同会所属の藤井晃都議が話す。 「新規感染者数が1桁にとどまっているなか、2週間単位で段階的自粛の緩和を判断するというのは、時間をかけすぎと言わざるをえません。吉村洋文大阪府知事の“大阪モデル”と同じように、1週間単位でも問題ないでしょう。加えて、ライブハウスや接待を伴う飲食店などに対する休業要請解除の条件が不明な点も不安材料です。  スポーツジムをステップ2で、カラオケ店やバーをステップ3に位置付ける方向で調整が進んでいますが、そのほかの営業再開の見通しが立たない事業者の不安は計り知れません。これらの点については、都に改善を訴えていきます」 「小池都知事池ロードマップ」が日本を疲弊させる 別の都議からは「5月12日に都民ファ作成のロードマップを手渡したのに、出てきたのは大阪のパクリ」という不満の声も。実際、段階的解除の判断基準は大阪モデルを踏襲しているほか、大阪が太陽の塔と通天閣をライトアップして感染状況を発信するのに対して東京はレインボーブリッジと類似点は多い。大阪の“ステージ”分けに対して”ステップ”分けにしたのは、「パクリ疑惑を薄めるためでは?」と揶揄する声も。そんな都のロードマップに対して、医療関係者からも懐疑的な声が上がっている。
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豊洲汚染の不安を主張した’16年都知事選との共通点
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