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憎たらしい敵・左慈を、坂口拓が怪演
そして、そんな主要キャストを押しのけて、本作イチの演技だと筆者が実感したのが、坂口拓演じる左慈(さじ)。王都奪還を図るべく、王宮の抜け道に潜入した信たちを待ち受けるラスボス(原作ではサブボス)で、かつては将軍となり、戦場で軍を率いていたという、映画オリジナルの設定となっている。 原作でもそうだが、この左慈が恐ろしいほどに強くて怖く、そしてまた憎たらしい。鞘に収めた刀を両肩に担いで威圧するポーズも映画独特のもので(誰が考えたんだこのポーズ、憎々しすぎるだろ!)、原作の左慈以上に左慈らしい、まさに怪演だ。 刺客の一人である、ムタ(演/橋本じゅん)の超絶体技も、原作を読んで想像した以上のスピード感があり目を見張った。逆に、宇梶剛士が演じる魏興(ぎこう)、高嶋政宏が演じる昌文君(しょうぶんくん)については、それぞれの役者のアクが強いのか、「中国の武将コスプレをしている宇梶剛士と高嶋兄」という目でしか見れなかった。魏興は、やはり列国の脅威云々の件を説明した上で、王騎に一刀両断されるシーンを見たかったし、昌文君も原作同様、吹き矢で嬴政を狙うムタを「我が王に、何のマネだ」と斬りふせる、王が最も頼れる武人の姿を見せてほしかった。 いずれにしろ、原作の実写映画化が成功するか否かの分かれ目は、原作の忠実な再現以上に、原作を凌駕する演出や演技があるかどうか。信も嬴政も王騎も楊端和も最高だったけれど、名脇役といえる左慈とムタなくして、これほどの面白さは生まれなかったと思う。
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