一蘭の味集中カウンター「コロナの影響あんまりなかった説」を広報に直撃
新型コロナウイルスの影響で多くの飲食店が打撃を受けている。緊急事態宣言解除後もその余波は計り知れず、飲食店はできる限りの対策をした上で営業を試みている状態だ。特にカウンターの座席が中心のラーメン店や牛丼屋などでは隣の客との距離が近いため、飛沫感染防止のために“ついたて”を立てているところも多い。
一蘭の広報によると、「そこまで激変するような影響は受けていません」としつつも、全く影響がなかったとは言い切れないという。
「弊社は海外含め80店舗以上ございますが、場所によっては観光客のお客様が多い店舗もあり、インバウンド需要の激減により大きな影響を受けたところもございます。また、都心部の店舗ではお客様の数は大きく減ってしまいました。一方で、郊外のロードサイド店舗などはもともと地元のお客様が多く来店されていたことから、そこまで影響はありませんでした。
しかし、お客様からは『味集中カウンターだから安心』『一蘭のこのカウンターだから来ることができた』という声も多くいただきました。わざわざ店員にそのように伝えてくださる方や、アンケート用紙に書き残してくださる方も多かったですね」
一蘭としても、「まさかこういった状況で味集中カウンターが注目されるとは」と驚いたのだそう。
「思わぬところでご評価頂けたことはありがたく存じます。味集中カウンターを信頼して来てくれるお客様が多いということは、より一層お客様を裏切ってはいけない、もっと安心してお食事を楽しんで頂けるように対策をしなければという気持ちが強まりました」
そこで、一蘭は味集中カウンターのみならず、さらに徹底した衛生管理を実施、ホームページ上にもその内容を公開した。
「弊社では以前から全店舗で『一蘭モデル』と呼ぶ一蘭式の衛生管理方法を導入しています。コロナ以降、追加した項目もありますが、この『一蘭モデル』、および味集中カウンターは感染症の専門家からも『効果あり』とお墨付きを頂いております」
コロナ以前は「たとえ見えなくてもお客様に笑顔で接客をする」方針のもとマスクは着用禁止だったが、コロナ後はマスクの着用を徹底するなど、一部変更したものもある。
一蘭では、一般的なラーメン屋のように厨房の様子を客が見ることはできない。さらに、「ラーメン屋の厨房って油でギトギトだよね」というイメージも強い。だからこそ、徹底した衛生管理を義務付け、清掃ルーティーンも細かく設定しているのだという。そんなに徹底した衛生管理をしている厨房、特別に見せてもらえないか頼んでみたが……。
「実は、味集中カウンターは特許を取得しており、厨房内も含め仕組みには秘密がたくさんあります。そのため、残念ながらお見せできないんです……」
とのこと。しかし、「お客様も従業員もどちらも守るために、見えない部分も徹底して衛生管理をしていますよ」と、かなり自信があるようだ。
しかし、ここで気づいたことがある。とんこつラーメン専門店の「一蘭」はもともと「味集中カウンター」と呼ばれるついたてを設置したスタイルだ。店員ともほかの客ともほとんど接触しない一蘭は、他の飲食店に比べてコロナの影響で売り上げが下がるようなことはなかったのではないか?
そこで実際にはどうだったのか、「一蘭」広報に直撃してみた。
インバウンド需要減による影響もあった
感染症の専門家からも「効果あり」とお墨付きの対策とは
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インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):@KA_HO_MA
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