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意外に簡単なHDDレコーダーの分解掃除。やっていいこと、ダメなことは?

 テレビやレコーダーなど、AV機器・電化製品の掃除ってしてますか?  特にホコリは電化製品の大敵。いったん設置したら、部屋の模様替えや買い替えでもしない限り、設置場所から動かさないテレビなどの裏側は、もはやホコリの巣になっていることも。

AV機器・電化製品の掃除ってマメにしてますか?

 普段から、マメにホコリは掃除してるから問題ないという人もいるかと思いますが、さすがに内部まで掃除している人は稀です。そんなわけで今回は、HDDレコーダーを分解して内部をキレイに掃除してみたいと思います。

手の届く範囲は頻繁に掃除をしているが裏面は……

分解前に、まずは見える範囲の掃除から

 掃除を始める前に、まずは本体の電源を落とし、電源プラグを抜き、1分ぐらい放置して蓄電されている電力をしっかりと放電させます。その後、周りの大まかなホコリをダスターや掃除機で吸い取ったら、本体の外側の掃除に着手します。 この外側の掃除に水拭きはNGなので、エタノールを使います。電化製品に水分を残さず掃除できるのでオススメです。接続用ケーブルなどに付いたホコリなども、一緒に取り除いておきましょう。

取っ手付きダスターは狭いところにも届くので使い勝手が良い

 次は内部の掃除です。ケースを固定しているネジ類を外し、ケース内部に手が届くようにします。レコーダーの場合は、たいてい左右と裏面にネジがあります。レコーダー内部には当然、電子機器があるので、静電気の起こりやすい掃除機等で強引に吸い込むのはNGです。  レコーダー内部の掃除には空気圧を利用します。市販されているエアダスターで内部に溜まっているホコリを吹き飛ばします。この作業はホコリが飛び散るので、ベランダなどホコリが飛び散っても問題ない場所でやるのがベストです。またエアダスターは逆さ吹きが出来るものを利用すると掃除がしやすくなります。エアコンプレッサーを所持している人はエアガンで掃除するのが楽ですね。

ケースを分解して隙間に留まっているホコリを吹き飛ばそう

 さて、これだけだとごくごく普通のお掃除テクニックになってしまうので、ここからは裏掃除テクニックへと突入します。

ファンとコンデンサのお掃除ポイント

 レコーダーにはHDDやメディアドライブなどが設置されていることもあり、排熱用のファンが付いています。このファンを掃除します。固定しているネジやコネクタを取り外し、空気圧で埃を除去。こびり付いたゴミ類は、いらない歯ブラシなどでキレイに取り除きましょう。  ファンの汚れが酷かったり回転しない場合には、電子パーツショップで同等製品を購入して交換してしまうのも手です。ファンのシールに記載されているスペックを頼りに同等品を入手しましょう。

排気ポートがホコリで塞がれると排熱によりレコーダーの故障にもつながるので注意

 さて、次はコンデンサ回り。コンデンサは蓄電したり放電したりと、電位機器には必ずと言っていいほど使用されている部品です。コンデンサはさまざまな要因により故障しやすく、液漏れや膨張、破裂などが起きている可能性もあります。部品をよく見て、不良コンデンサがないか確認。問題がある場合は同じスペックのものと交換します。  コンデンサの場合は筒横にスペックが書かれています。この作業では、はんだ付けが必要となるので不慣れな人は注意が必要です。

コンデンサは上面や側面などを他のものと見比べよう。ほかと違う感じがしたら要注意

 端子類を見るとくすんでいる箇所も見えるかと思います。これはホコリや汚れではなく表面の金属が酸化した錆です。この酸化による錆が発生していると画質や音質に悪影響を与えるので、ここも掃除しましょう。掃除の際には接点復活剤を使い錆を落とします。  見落としがちなポイントですが、むき出しの端子をキレイに掃除することで画質や音質も向上するので、ぜひ覚えておきたいテクニックです。

くすんだ端子類。接点復活剤でキレイに掃除しておこう

 というわけで、ご紹介しましたこの掃除テクニック。実はハードオフなどの中古ショップで購入した家電のチェックや修理などにも使えるメンテナンスです。ジャンクコーナーで激安購入したものを掃除&修理で使えるようにするのも面白いですよ。 ※分解した時点でメーカーの保証等は受けられなくなりますので、分解掃除等は自己責任で行ってください。
テクニカルライター。三才ブックスのマニア誌『ラジオライフ』にてガジェットや分解記事を執筆。買ったら使用前に分解するのがライフワーク
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