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『異邦人』の“久保田早紀”が語る、大ヒットで苦悩した日々と現在

シルクロードじゃなくてカリフォルニアの世界を歌いたかった

 4枚目のシングル(1981年4月21日発売)の『オレンジ・エアメール・スペシャル』(作詞:山川啓介、作曲:久保田早紀、編曲:萩田光雄)は、いままでのイメージと全く違った歌でした。キリンオレンジのCMソングになって、ジャケットも女子大生の雰囲気です。
久保田早紀

4枚目のシングル『オレンジ・エアメール・スペシャル』で、本当の自分の歌が歌えたと久米小百合さん

「もともと、この傾向の歌しか作っていなかったたんです。当時の女の子が憧れるカリフォルニアの世界……。シルクロードではなくて、この世界を出したかったんです。だから久保田早紀から、本名の久保田小百合に戻った気分になりましたね」  引退後、結婚されて久米小百合となりました。 「『異邦人』で有名になったとき、私の音楽のルーツって何なんだろう? 本当の自分はどこにあるんだろう? 久保田早紀と久保田小百合の間に大きな溝ができていました。それを埋めてくれたのが、教会の音楽だったと思います。私の中で、どこかで“心のゆりかご”のような大切な音楽でした」(久米小百合)  いまは音楽伝道師として、教会で歌っていらっしゃる久米小百合さん。
久保田早紀

久保田早紀と久保田小百合の間の大きな溝を埋めてくれたのが教会の音楽だったと話す久米小百合さん

「すべての人が歌を歌えることって、神様から与えられているギフトだと思っています。教会で歌えるのは、神様へ『どうもありがとう』という感謝のつもりで歌っています。もしも、歌好きの還暦を過ぎたおばさんが、歌が好きだから歌わせて、と言っても誰も聞いてくれないと思います。『異邦人』を歌っていた久保田早紀だから、聴きに来てくれると思います。ですから、デビューしたことが、いまの仕事に大きな力になっています」(久米小百合)  そんな久米小百合さんが、『ミュージック・モアotonanoコンサート』(2021年1月27日開催)に登場。1日限り「久保田早紀」で復活します。渡辺真知子さん、サーカスのみなさんも登場し、司会は私クリス松村です。  7月30日放送の番組では、久保田早紀時代のコンサートの模様もお届けします。どうぞ、お楽しみに!
タレント、音“楽”家(おんらくか)。 邦楽、洋楽問わず、音楽好きが高じて、番組出演にとどまらず、テレビやラジオの番組監修、構成、音楽解説なども手掛ける。TOKYO MX『ミュージック・モア』(毎月第1・第5土曜日午前11時30分放送)ではレギュラーMCを務める。
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