エンタメ

まるでギャンブル? 全員陰性の結果に、一同拍手と歓声/鴻上尚史

まるでギャンブル? 全員陰性の結果に、一同拍手と歓声

ドン・キホーテのピアス 粛々と、10月31日から始まる『ハルシオン・デイズ2020』の稽古を続けています。  先日は、稽古の終わりに、プロデューサーが「三回目のPCR検査ですが、キャスト、スタッフ全員が陰性でした」と発表して、思わず、稽古場に歓声と拍手が起きました。  一見、微笑ましい風景のようですが、もしここで「陽性反応の人が出ました」となれば、その瞬間から稽古は中止になるわけで、その後に待っているのは大混乱です。  公演の可能性はあるのか、あるとしても、どれだけできるのか、約一か月の公演のうち、どれだけ中止にしなければいけないのか、稽古の再開はどうやって判断するのか、公演中止及びチケットの払い戻しの金銭的損害はどれぐらいなのか、演出家であり、同時に制作会社サードステージの社長である僕は、あーでもないこーでもないとプロデューサーと共に大騒ぎに突入するわけです。  一回目のPCR検査の時は、病院に行き、隔離されながら唾を出し、「おお、これがPCR検査か」とちょっと興奮したりしましたが、二回目、三回目になると、どんどん憂鬱になってきました。

一人の陽性者で、すべてぶっ飛ぶ

 芝居が素敵に仕上がってきているので、「一人の陽性者で、これがすべてぶっ飛ぶのか」とリアルに心配になってきているのです。 「ああ。本当にイソジンが効いたらいいのに」なんて思ったりしてます。  実際に、知り合いの劇団やカンパニーで関係者に感染者が出ています。  胸潰れるニュースですが、まだ稽古中で、観客に影響がないことが不幸中の幸いというものです。  どこの劇団やカンパニーも、僕達と同じように、稽古期間開始前に検査を受け、全員、陰性であることを確認して稽古を始め、そして、その後は二週間ごとに検査を受け続けているはずです。
次のページ
長時間のマスク辛くも、稽古場で感じる幸せ
1
2
Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事