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まるでギャンブル? 全員陰性の結果に、一同拍手と歓声/鴻上尚史

長時間のマスク辛くも、稽古場で感じる幸せ

 一番、恐怖するのは、「まったく自覚症状がなかったけれど、稽古のために集団でPCR検査を受けたら陽性だった」というケースです。  自覚症状がなくても、もちろん、定期的な検査はマストです。  稽古場では、毎日、検温していますが、自覚症状がなかった人は、体温も普通だったのだと思います。37.5度を越していたら、絶対に稽古場には入れませんからね。  マスクでの稽古もなかなか慣れません。  新しいスタッフが何人かいるのですが、まだ、はっきり顔を見ていません。このままだと、顔を覚えないまま終わる予感がします。とほほ、です。  今までも一日中、マスクをつけていて、「なんとかなるか」と思っていたのですが、演出する場合は、マスクをつけて、一日中しゃべり続けるので、あっと言う間に耳の後ろが痛くなってきました。  マスクのヒモが動いて、擦れるからです。  ヒモを耳にかけないまま、マスクをキープするマスクバンドというかマスクベルトを買いました。

こんな状況でどうして公演を?

「こんなギャンブルな状況でどうして公演をやろうとするのですか?」と聞かれるのですが、八百屋さんは野菜を売るのが仕事で、パン屋さんはパンを売るのが仕事で、演劇人は演劇を創ってお客さんに見ていただくのが仕事だから、としか言いようがありません。  飲み会はありませんが、稽古場でキャスト・スタッフとわいわいと作品を創っていくと幸せだなあと感じます。  出演者は全部で4人。詳しい紹介は次回にしますが、4人しか出演者がいないから、この時期に上演できるんじゃないかと判断したのです。  これに少数のスタッフで、稽古場全体でも、常時いるのは全員で10人ちょっとです。  キャストが4人しかいないのに、密を避けるためにかなり大きめの稽古場を借りました。大型の送風機を4台持ち込み、高機能の大型空気清浄機も二台、入れました。  休憩時間のたびに、スタッフが床から机、小道具を消毒しています。  やれることはすべてやっています。  それでも、ウィルスはどこにいるのか分かりません。毎日、ギャンブルを続けているのです。  一人でも多くの観客と劇場で出会えれば嬉しいと思います。『ハルシオン・デイズ2020』で検索してみて下さい。んじゃ。
ドン・キホーテ 笑う! (ドン・キホーテのピアス19)

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