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協力金の一律支給、小さな飲み屋はコロナ太り?「儲かっちゃってどうしよう」

正直、ずるいなって…

「ウチみたいに小さいところにはどうせ見回りなんて来ないから大丈夫ですよ」  店内はカウンター8席のみ。家賃も十万円以下と都心では破格の安さであるため、協力金の100万円は光熱費なども含めた固定費を十分に補って余りある。
居酒屋

※写真はイメージです

 Hさんは複雑な気持ちになった。真面目に時短営業に従っている店もたくさんある。苦境に立たされている店ももちろん見ている。広い箱で従業員を雇っている店は、協力金のみではとてもやっていけない。しかし、その傍らでこういう店もあるのだ。店の規模に関わらず協力金の額が一律であることに疑問を感じてしまう。そして何より、Hさんのような卸業にはどんなに売り上げが落ち込んでも協力金は出ない。 「わたしたちのような、夜の飲食店を支えている職業があることも忘れないでほしいです。お店のほうも、営業するのは自由ですけど、苦しいどころかむしろ協力金で儲かってるなんて話はあんまり聞きたくなかったですね。ずるいなって思っちゃいますよ…正直」  対立構造を好むメディアでは連日経営に苦しむ飲食店が取り上げられるが、コロナ禍における様々な店を見てきたHさんは、最近ではテレビを目にするたびにやりきれない気持ちになるという。  今回の緊急事態宣言で、営業時間午後8時までの時短要請に応じた飲食店には、都県から一日当たり最大6万円の「協力金」が支払われる。あの店主は、また味をしめてコロナ太りするのか…そう思うたびに、Hさんはやり場のない怒りに身を振るわせている。
(おおたにゆきな)福島県出身。第三回『幽』怪談実話コンテストにて優秀賞入選。実話怪談を中心にライターとして活動。お酒と夜の街を愛するスナック勤務。時々怖い話を語ったりもする。ツイッターアカウントは @yukina_otani
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