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倉庫バイトも「一週間続けばいいほう」。中高年ひきこもり問題が深刻化

ひきこもりを医療機関に運ぶ「民間救急」の仕事とは

ひきこもり

自傷他害することも多い当事者を傷つけず丁重に搬送するのが橋本さんの仕事だ

 親族や行政などから依頼を受けて、ひきこもり当事者を病院や施設へ搬送する仕事が「民間救急」だ。一時期、暴力行為が取り沙汰された「引き出し屋」は、無認可の個人や半グレ集団によるものだったが、今は警備会社を経由し合法的に行われている。  5年前からこの仕事に携わっている橋本謙也さん(仮名・45歳)によると、ひきこもって10年以上の40~50代が増えているという。他者の介入を拒絶し、精神疾患やアルコール依存になる人も少なくない。 「現場では、あなたを否定するわけではないが一度診察を受けてみましょうと説得します。しかし、時にはナイフで脅されたり、殴りかかられることもあるので護身術の心得は必須ですね」

同じ人を何回も搬送することも

 ほとんどの人は素直に入院し治療を受けるが、退院後は元の生活に戻ってしまうため、同じ人を3回、4回と搬送することも。その間に餓死、病死、自殺する場合も少なくないという。 「そのうち治るだろうと放置し、定年になって慌てる親が多い。民間救急はあくまで最終手段であることを知ってほしいです」 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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