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パチンコ屋が最もいらない“客”とは。パチプロの存在をどう考える?

パチプロは「客」なのか?

パチンコ客

雨の中でも勝つために並ぶパチンコ客。もちろん、負けようと思って打つ者はいない

 ヤング氏は「パチンコ客は店内で過ごす時間を買っている」と分析する。いわばパチンコが時間消費型レジャーと言われる由縁である。それにより、巨大産業のビジネスモデルが成り立っていることとなる。では、一方的に赤字を与える“パチプロ”の存在はどう考えているのだろうか。ヤング氏は必要悪的存在としてパチプロがいることを、こんな言い回しで語る。 「今はなんでもいいから稼働がほしいってパチンコ屋も珍しくない。だからたとえ金を落とさない客でも、いないよりはマシって考え方の店長も結構いるよ。枯れ木も山の賑わいの「枯れ木」扱いで」  大崎氏はパチプロが来ることで、一般客も注目するため、もはや彼らが店に与える損失は広告宣伝費だという。 「店にしてみたら、たとえプロだとわかっていても、サクラ的にうまく使いたいって意識もあるよね。特定日だったり、特定機種だったり、そこに集まる軍団を広告塔として使うことで、本来はありがたくない客ではあるけど、広告宣伝費として見ればアリかなって感じで」

パチンコが好きじゃないパチンコ客

 両氏によると、一般客にとって迷惑でしかない軍団も、賑わいを作り出すために利用している店もあるようだ。ただひとつ疑問に思ってしまうのは、「軍団を牛耳っているリーダーや、ひとりで立ち回るパチプロは、パチンコのことを好きなのか?」ということだ。  軍団の打ち子に関してはパチンコ好きの可能性もあるが、例えば抽選クジを引くだけに集められた”引き子”は、間違いなく金目当てでしかない。パチプロや軍団の親や雇われた打ち子・引き子は、パチンコが好きなのではなく、楽な金稼ぎが好きなだけではないだろうか。この点について、2人の会話を抜粋しよう。 大崎 楽しく打ってお金を儲けたいという思想と、儲かるなら特にパチンコである必要はないという思想には決定的な違いがある。だからプロたちがパチンコ好きでやってる分には文句ないけど、好きでもないのに金だけ持っていかれるのはどうかな、とか思っちゃうんだよね。 ヤング 上手い下手の二極化のみならず、好きか金か? の二極化も進行してる。さらには、好きでもないのに金だけ持っていく打ち手を「客」と呼ぶのはどうなの?って話だろ、これ。 大崎 うん。ハッキリ言うけど、心情的には「客」と呼びたくはないよね。  店側が利用している側面を考えると、パチプロも客といえば客である。しかし、パチンコ業界を愛する両氏は「客と呼びたくない客」と語った。この本をパチプロはどんな気持ちで読むのだろうか。 <取材・文/セールス森田>
Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント
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パチンコ崩壊論

コロナがパチンコ業界にもたらしたもの、変えたものとは一体何だったのか。
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