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予想もつかない形となった衆院選。政権担当能力のある政党に最も必要なものとは/倉山満

マトモな野党第一党を持てる千載一遇の好機

 選挙結果は、自民党は議席の減らし幅を最小に抑え、261で単独安定過半数を維持。公明党は微増の32。立民は96。共産党も10と微減した。一方で健闘したのが、日本維新の会で41。国民民主党も11と微増。  有権者の判断は明確だ。代わる選択肢がない以上、「自由公明党」に任せるしかない。しかし、「立憲共産党」に政権を託すのは、真っ平御免だ。  ここに、「マトモな野党第一党を持てない」宿痾(しゅくあ)を治す、千載一遇の好機が到来した。立憲民主党を、解党してしまえ!  共産党との野党共闘は、「自公政権を打倒する」の一点で推進させられた。だが、それはありえないとの現実を有権者に突きつけられた。立民は、自民党以上に幅が広い。共産党と喜んで組む者もいれば、何かの間違いで所属している真人間もいる。結局、今の野党共闘など、立憲民主党が野党第一党だから行われているのだ。その前提をぶち壊してしまえばいい。

政権を獲る意思も能力も無い野党第一党

 単純計算で、28人が維新に行けば、野党第一党は日本維新の会となる。立民は潔く解党、維新に行きたい者、国民に行きたい者、れいわや共産党に行きたい者に分かれればいいではないか。その方が、すっきりする。  もはや政権を獲る意思も能力も無い野党第一党には飽き飽きだ。消えてもらうしかない。  維新の今回の勝因は、自民党との対決姿勢を明確にしたことだろう。安倍・菅の両政権の時代は、自民党の補完勢力としか見られていなかった。ならば、自民党で良いのではないかと有権者に判断されるのは仕方ない。それを今の内閣になり、「岸田首相には改革はできない」と言い切った。「自由公明党」にも「立憲共産党」にも嫌気がさしている有権者の受け皿がようやくできた。

政権担当能力のある政党に最も必要なもの

 大健闘したのが国民民主党だ。この党は「野党共闘」の名目で、議員の大量移籍を強要された。だが、それだけに残った議員は選挙に強い。それに日本最大の労働組合である連合の組織力もある。「提言政党」の旗を掲げるだけあって、この党の打ち出す政策は評価されて然るべきだ。  コロナでも、特措法には違憲の疑いがあると反対に回り、2類から5類へのダウングレード、さらに尾身茂が率いるJCHOの補助金詐欺疑惑にも切り込んでいる。経済でも減税と金融緩和にも理解がある。難点は、発信力の無さだったが、支持率と議席は関係ない。今回、一定の勢力を得たことで、政界の台風の目になる可能性もある。  自民党に代わる政権担当能力のある政党に最も必要な条件は何か。政策? 組織? 議員の数? それらも大事なのだが、最も大事なのは、「魅力ある党首」だ。
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「吉村代表」で一気に政権奪取を狙うべきではないのか
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1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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