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橋下大阪市長の原発全廃発言は暴論だ【藤沢数希氏】

◆マネーな人々 今週の銭格言 【選者】人気ブログ「金融日記」管理人 藤沢数希氏 関西電力は保有する原子力発電所11基がすべて停止し、火力発電所はフル稼働状態が続く。その結果、石油や天然ガスなどの燃料費が増加。そんななか、橋下徹大阪市長は、関西電力の株主総会で原発全廃を求めるという ◆関西電力筆頭株主の橋下大阪市長が原発全廃を提案! 原発問題は感情論を超えた冷静な議論を  大阪市は関西電力の筆頭株主である。そして橋下徹大阪市長は、次の株主総会で可及的速やかな原発全廃を関電に求めるという。僕は、これは株主利益に反するものだと考えている。このニュースが出た3月18日の翌日は、TOPIXが0.6%上昇するなか、関電株は4.2%も暴落した。随分昔の話だが、昨年の5月6日に菅直人前首相が目先の人気取りのために、唐突に中部電力の浜岡原発に停止「要請」を出したとき、翌営業日、中電株は前日比182円安の1584円で引けて、なんと▲10.3%で1700銘柄もある東証1部のなかで下落率トップになった。  一部のメディアやジャーナリストは原発ホラーで生計を立てているので、原発なんか抱えていたら事故が起きたときの賠償で電力会社が潰れるから、電力会社にとっても脱原発はいいことだと言っていたが、株式市場はこのように正直で、原発が稼働できないことは、電力会社の利益にとって圧倒的に痛いのである。なぜか? それは、原発が圧倒的に安く電気を生み出せるからだ。 【後編】に続く⇒ https://nikkan-spa.jp/180453 原発による死者は火力発電よりずっと少ないという事実 【藤沢数希氏】 欧米の研究機関にて計算科学、理論物理学の分野で博士号を取得。その後、外資系投資銀行に転身。主宰するブログ「金融日記」は月間100万PV、ツイッターのフォロワーは6万人に及ぶ。最新刊『「反原発」の不都合な真実』(新潮新書)が発売中
物理学研究者、投資銀行クオンツ・トレーダー職等を経て、作家・投資家。香港在住。著書に『外資系金融の終わり』『僕は愛を証明しようと思う』『コスパで考える学歴攻略法』などがある
「反原発」の不都合な真実

『反原発』を冷静に論ずる

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