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16歳で東大合格のカリスさん「今は負け組でも、2年後には誰もが勝ち組に」

2年で、人生を変える大勝負に出る

東京大学安田講堂前にて、友人たちと筆者

東京大学安田講堂前にて、友人たちと筆者

 勝ち組は、素早く勝ちに行くから勝ち組なのである。勝利は自分の「希少価値」と「意欲」の掛け算にある。自分の勝ち筋に沿って、希少価値を身につけるには2年はかかるし、身につけるようという意欲も2年しか持たない。つまり、2年かけて大勝負に出れば、人生は変えられる。  希少価値を発揮する熟練者になるには、どれだけの時間が必要か。 「1万時間の法則」は、元となる研究を行ったアンダース・エリクソン教授自身によって、全否定されている。エリクソン教授は「時間より質の方が大切だ」とし、「非常に高いレベルの専門性を身につけるまでに必要な時間は、1万時間よりもずっと少ない」と述べた。  僕自身や世の成功者たちの経験からすると、希少価値の習得には最短で「約2000時間」かかると言える。正しい方向性で報われる努力をしたとして、実践レベルに達するまでに「約1000時間」、重宝レベルに達するまでには「約2000時間」といったところだ。 「2000時間」あれば、大脳が主に司る「深い理解」と小脳が主に司る「速い反応」のどちらも体得し、「真似しづらい境地」に到達できる。  仕事後や休日などを活用して毎日3時間費やしたとして、「2000時間」までに「約2年」かかる。つまり、「冷静な狂気」で見つけた“勝ち筋”に沿って2年かけた大勝負に出れば、人生は変えられるのだ。

「Change of Shape」で人生逆転を


 ただし、飲み会も、友達との遊びも、時間のかかる趣味も我慢する、修道士のような生活はモチベーション的に長く続かない。固い決意は時とともに風化していくからだ。  それはワクワク感を出す「脳内麻薬」ドーパミンの大量分泌が、身体への負担の大きさから2~3年で尽きることを踏まえると当然とも言える。入社3年目に転職する人が多かったり、付き合って3年目に別れるカップルが多かったりするのも、これが原因。さらに、3年も過ぎれば、結婚・病気・介護など一身上の都合も生じやすいだろう。  漫画『ワンピース』で、麦わらの一味は「2年後の再会」を約束し、それぞれ厳しい修行に励んだ。 「2年後に!!! シャボンディ諸島で!!!」  希少価値と意欲の観点からも、この「2年」というのは理にかなっている。  今がどん底でも、2年かけた大勝負に出て一度でも成功すれば、誰でも勝ち組になれる。 僕がそうであったように、人生は自らの意志で導けるのだ。  変態イメージ 僕はYouTube動画の冒頭で、いつも「Change of Shape」と言っている。「Change of Shape」とは、昆虫が成長過程で姿かたちを変える「変態」を指す。僕が「変わりたい」という願望を叶えるべく地獄の底から這い上がってきたように、あなたも2年かけて脱皮して人生逆転を果たしてくれたら嬉しく思う。 「時間をかけて慎重に考えよ。しかし行動のときが来たら、考えるのをやめて進むんだ」(ナポレオン・ボナパルト) 文/東大AI博士・カリス
1993年、韓国生まれ。16歳で東京大学に合格。日本政府から天才認定(学生としては初めて、研究業績だけで永住権を取得)を受ける。博士(情報理工学/東京大学)。英・ケンブリッジ大学/独・ミュンヘン工科大学/伊・ミラノビコッカ大学で訪問研究。⽇本トップレベルの医療AI研究者であり、「みんな健康かつ笑顔で暮らせる社会」を実現すべく、医用画像データプラットフォームを手がけるCallisto株式会社を創業。YouTubeチャンネル『カリス 東大AI博士』にて、科学的勉強法・科学的思考法・AIなどについて配信中

誰でも“天才になる”方法

16歳で東大に合格した
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