更新日:2022年07月07日 09:51
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野党にとって参議院選挙の勝利とは、「野党第一党でいること」ではない/倉山満

共産党に同調しかねない人間が野党第一党党首では国家の危機

 秋以降、皇室の問題が本格化する。そんな時に、共産党に同調しかねない議論を持ち出す人間が野党第一党党首だと、国家の危機だ。この点では、与党に鋭く迫りながらも、皇室の問題では冷静な議論を行っている日本維新の会こそ野党の模範的な態度だろう。見習うべし。  安全保障に関しても、そうだ。ウクライナ事変で日本は、米英支持の態度を鮮明にしている。先日も岸田首相はNATOに招かれていたが、その場で米欧はロシアを敵認定、中国を仮想敵呼ばわりしていた。そんな状況で軍事抜きの外交で舞い上がっても意味が無い、と健全な批判を行える野党第一党でなければ困る。  泉は「民主党以来、ブルーバッジをつけて代表選挙に出た唯一の候補」ではないか。ブルーバッジとは、北朝鮮拉致被害者を奪還する人々のバッジだ。マトモな野党第一党党首たりえる人士は、泉健太をおいて他に誰がいる。

泉代表は味方を集め、「党を割るぞ」と恫喝するくらいの根性を

 では、どうするか? 絶対に裏切らない23人の衆議院議員を固めるのが、すべての始まりだ。この場合、1秒で思想信条を変えるような、日和見主義者は不要。何があっても泉代表と行動を共にする人々で固めねばならない。  主要野党の代議士は、立民97人、維新41人、国民11人。仮に23人が脱党して維新国民と組めば、残った74人よりも数が多く、第一会派を組める。もちろん、反乱分子を追い出してもよし。44人がいれば、第一党堅持だ。そこまでいなくても、31人いれば、国民と組めば維新より多い。だから、23、31、44という数字を固めることが、至上命令になる。  かつて三木武夫首相は弱小派閥ながら政権奪取、数で勝る反主流派を「ならば自民党を割るぞ」と脅し、反乱を叩きのめした。  泉代表は本当に信頼できる味方を集め、「党を割るぞ」と恫喝するくらいの根性を見せる局面が来ている。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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