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藤井五冠への挑戦権を得た羽生九段、30年の全盛期を築いた「驚異的な復活力」/倉山満

二冠だと不調と言われる、感覚が麻痺するような超一流棋士に

 羽生世代で最大のライバルは、小学生の将棋大会以来のライバルである、森内俊之十八世名人だ。  ’97年の時点で羽生が名人3期。羽生の失冠後の’03年に森内が初の名人奪取だが、翌’04年に羽生が勝利。この時点で羽生が4期、森内が1期。名人5期で永世名人なので、誰もが羽生が先になると思っていた。ところが翌’05年から森内が4連覇し、先に十八世名人に。羽生は十九世名人。  ’03年から’16年までは羽生と森内のみが名人を奪い合う「2人の世界」と呼ばれ、引き離されない。結果、羽生は名人9期。森内は8期。トータルでは羽生の勝ちか。  ちなみに将棋のタイトルは1期とれれば一流棋士。羽生の場合は二冠だと不調と、感覚が麻痺するような超一流棋士となった。

「さすがに終わった」と思われていた羽生に100期の夢がかかる

 将棋は完全に実力の世界。上を突き上げ、下を叩きのめし、実力で30年の全盛期を築いた。  そんな羽生も、’18年に三冠すべてを失い、無冠となった。その後は不調が続き、「さすがに終わった」と思われていた。しかし、そこから這い上がった。現在タイトル99期、100期に夢がかかる。  という記事を書いていたら、ワールドカップで日本がドイツに勝った。超大番狂わせだ。  ならば次の日銀総裁に若田部昌澄副総裁の昇格があってもおかしくない。などと考えてみる。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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