更新日:2023年03月30日 22:26
仕事

24歳女性、ゴミ収集作業員が明かす仕事の本音「もっと評価されてもいい」

 早朝や深夜、街を慌ただしく駆け回るゴミ収集車。作業員が車両後部の投入口に次々とゴミ袋を詰め込んでいく。語弊を恐れずにいえば、“男性の仕事”というイメージがあるかもしれない。だが、運転席から降りてきたのは、アイドルグループにいてもおかしくなさそうな小柄で明るい髪色の女性……。
ゴミ回収ガール

画像は、ゴミ回収ガールのTikTok(@trash.service)より

 InstagramやTikTok、YouTubeなどでゴミ収集業者の何気ない日常を投稿する「ゴミ回収ガール」というアカウントがじわじわと反響を呼んでいる。昨年末(2022年12月)の開設ながら、すでに総フォロワー数は2万人を超える。 齋藤ひなの 彼女はいったい何者なのか。なぜSNSで発信するようになったのか。本人を直撃したところ、意外な“想い”が隠されていたのだ。 【前回記事】⇒ゴミ収集業者で働く24歳女性が、仕事中に「意外と楽しい」と思える3つの理由

ゴミ収集業者の仕事は「何をしているのかあまり知られていない」

齋藤ひなの

ゴミ収集業者で働く齋藤ひなのさん(24歳)

 ゴミ回収ガールの正体は、齋藤ひなのさん(24歳)。神奈川県横浜市のゴミ収集業者(株式会社イーブライト)で働き始めて約1年になるという。 「ゴミ収集業者の仕事は、実際に何をしているのか、一般的にはあまり知られていません。いま、とくに若い人たちにとってはSNSが大きな情報源になっているので、少しでも興味を持ってもらえたらいいなと思って。それで、職場で“ちょっとやってみませんか?”と提案してみたんです」  当初はそこまで深く考えていたわけではなかったというが、いざ始めてみると、ひなのさんがゴミを運んでいる姿を載せた2回目の投稿で「さっそく手応えを感じていた」と話す。  投稿内容は、主にひなのさんが作業員として働く様子となっているが、普段はほとんど見ることのない裏側まで垣間見られる。たとえば、ゴミ収集車の整備や洗車、休憩中に公園でお弁当を食べるシーンまで……。 「働いている人じゃないとわからない部分を出していったら面白いと思ったんです。そしたら、狙い通りというか。けっこう反響があって、みんなでどんどんやってみようと」

職場での“コミュニケーションの機会”に

齋藤ひなの アカウントを開設してから約4か月。制作会社や代行業者などは使わず、すべて社内のスタッフで運用しているそうだ。ここまで順調にフォロワー数を伸ばしているが、SNSを通して“思わぬ収穫”もあったとか。 「作業員はそれぞれがゴミ収集車に乗って担当ルートをまわるので、仕事中はひとりの時間が多いんです。なので、ゴミ回収ガールの企画のアイデアをみんなで出し合いながら撮影することが、職場での“コミュニケーションの機会”にもなっていて。これが、ちょっとした息抜きなんですよ。  当然、全部ひとりでSNSをまわしていたらネタが尽きたりパンクしてしまいそうですが、みんなでやっているので楽しんでいますね。あとは事務担当いわく、ゴミ回収ガールの投稿がきっかけで、求人の問い合わせがきたこともあるようです」
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「何も反応がないことのほうが怖い」
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明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi

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