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「買い物ができず不便」は的外れな感想…西武池袋本店のストは「注目すべき出来事」だった

社会全体から“労組離れ”が…

西武池袋本店の従業員は約5000名。そのうち組合員は約900名とのことですから、組織率は20パーセント未満です。近年、労組の組織率は低下する傾向にありますが、2022年の東京都産業労働局の調査によると、都内企業の労働組合組織率は約25.3パーセントですから、西武池袋本店の組合率が低いことがわかります。 この低い数字は西武百貨店時代からの名残もありますが、社会全体から“労組離れ”が起きていることを窺わせます。労働運動が下火になったバブル期以降、労組は面倒臭い団体と見られがちで、そうした一面があるのも事実です。 それでも労組がなければ使用者はやりたい放題になり、労働者は酷使され、簡単に使い捨てにされてしまいます。それではブラック企業や中抜き企業を跋扈させるだけです。 今回の西武池袋本店のストは、労働環境の正常化という観点で注目すべき出来事でした。 <取材・文・撮影/小川裕夫>
フリーランスライター・カメラマン。1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーに。首相官邸で実施される首相会見にはフリーランスで唯一のカメラマンとしても参加し、官邸への出入りは10年超。著書に『渋沢栄一と鉄道』(天夢人)などがある Twitter:@ogawahiro
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