歌舞伎町のホテルから飛び降りた16歳の“トー横キッズ”。亡くなる直前に語った「壮絶な過去」と「大人への絶望」
新宿歌舞伎町にあるTOHOシネマズ(新宿東宝ビル)の周辺地区を指す「トー横」。2019年頃からその界隈に家出した少年少女たちが集まり、好奇の目を向けられるようになった。
「トー横キッズ」と呼ばれ、ケンカや売買春、違法薬物使用などが大きな社会問題となってきたまだ10代の彼、彼女たちはなぜそこに集まるのだろうか? 元風俗嬢、元看護士の肩書を持つエッセイストでライターのyuzuka(@yuzuka_tecpizza)がそんなトー横キッズたちの素顔を取材する(以下、yuzuka寄稿)。
また、守りたかった誰かが自らの命を断ってしまった。Sちゃん、ピンクとマイメロディが好き。夢は普通に幸せになること。彼女は「トー横キッズ」と呼ばれる、16歳の高校1年生だった。TikTokで「バズってしまった」と話していたっけ。トー横キッズに取材しようと決めて最初にアポをとった少女。私の取材は、2023年8月上旬のSちゃんとの出会いから始まった。
ピンク色の髪の毛にフリフリの洋服を身につけ、マイメロディのバックを大事そうに抱えている。最初の取材の待ち合わせ場所に現れたSちゃんは、可愛らしい顔立ちに似合うとても優しい声をしていた。待ち合わせ時間ぴったりに現れたその少女は、「地雷系ファッション」と呼ばれる見た目とは裏腹に、ゆっくりと丁寧に、言葉を選びながら話す女の子だった。
彼女もまた、トー横キッズだ。何年も前から、あの場所に通っている。オーバドーズ(OD)をして救急搬送されたところを盗撮され、ネットのおもちゃにされたこともあった。「めっちゃ叩かれて、学校とか児相にもバレちゃったんですよね」と笑う彼女の目は、やけに優しい。そしてその目は、彼女がのちに「お兄ちゃんに性暴力を受けて」と話す時の目と同じだった。16歳の、高校生。
「勉強もできないし、友達ができないから」
高校へは、行ったり行かなかったり。通っていた定時制高校は髪型もメイクも自由だったけれど、Sちゃんはどうしても馴染めなかった。
「なんか違うって思っちゃうんですよね」
そんな時、ネットでホストと知り合った。彼に会いに歌舞伎町へ来て、そのまま体の関係になり、彼の名前を手に掘った。
「トー横キッズ」の高校1年生との出会い
「お兄ちゃんに性暴力を受けて」
エッセイスト。精神科・美容外科の元看護師でもある。著書に『埋まらないよ、そんな男じゃ。モノクロな世界は「誰かのための人生」を終わらせることで動きだす。』『君なら、越えられる。涙が止まらない、こんなどうしようもない夜も』など。Twitter:@yuzuka_tecpizza
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厚生労働省が自殺防止のためホームページで紹介している主な相談窓口は次の通り。
▽いのちの電話
(0570)783556(午前10時~午後10時)
(0120)783556(午後4~9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)
▽こころの健康相談統一ダイヤル
(0570)064556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)
▽よりそいホットライン
(0120)279338(24時間対応)
▽いのちの電話
(0570)783556(午前10時~午後10時)
(0120)783556(午後4~9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)
▽こころの健康相談統一ダイヤル
(0570)064556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)
▽よりそいホットライン
(0120)279338(24時間対応)
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