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歌舞伎町のホテルから飛び降りた16歳の“トー横キッズ”。亡くなる直前に語った「壮絶な過去」と「大人への絶望」

みんな、家や学校に居場所がなかった

「だからと言って向こうは本気で好きとかじゃなかったと思う。未成年だから客にもできないし」 「当時、Sちゃんは何歳?」 「小学生か、中学あがりたて。14歳くらい」  14歳、関係を持ったホストは、20代後半で「彼氏」ではなかった。自分には本当の居場所がない、そんな風に感じながらたまたま歌舞伎町を歩いていると、トー横キッズに声をかけられた。 「もともとそういう界隈があるのは知ってて。プラプラしてたら元気な子たちに『何歳ー?』って声をかけられて」  話を聞けば、そこにいる子どもたちはみんな、家や学校に居場所のない子供たちだった。

中2で歌舞伎町に本格的に家出

大久保公園

大久保公園にたむろする男女

「私も同じだって思ったんです。それで、通うようになりました。みんな同じだから、抱えていたものを素直に話せたっていうか」  家庭にも学校にも居場所がなかったSちゃんにとってトー横は、自分を曝け出せる初めての居場所になった。 「お母さんはシングルマザーで。だから働くじゃないですか。家にいないか、家に彼氏を連れてくるか。それで、小学生の頃くらいから、お母さんのいないときに2個上のお兄ちゃんから暴力とか、性暴力とかがあって……そういうのもあって、中2くらいのときに歌舞伎町に本格的に家出しました」  Sちゃんは話の中で、「初体験はお兄ちゃんだった」と力なく笑った。兄の性暴力から逃れようとして、トー横で過ごす時間が増えた。そこに行けば、同じように居場所を求める仲間がいて、安心したのだ。トー横が居場所としての比重が重くなれば、当然持っているお金が底をつきる。
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身分証がなく、未成年で売春を…
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厚生労働省が自殺防止のためホームページで紹介している主な相談窓口は次の通り。
▽いのちの電話
(0570)783556(午前10時~午後10時)
(0120)783556(午後4~9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)
▽こころの健康相談統一ダイヤル
(0570)064556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)
▽よりそいホットライン
(0120)279338(24時間対応)
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