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歌舞伎町のホテルから飛び降りた16歳の“トー横キッズ”。亡くなる直前に語った「壮絶な過去」と「大人への絶望」

歌舞伎町のホテルから飛び降りた彼女

 何度目かの「大丈夫」のあと、彼女が何も言わずに歌舞伎町のホテルから飛び降りてしまったことを知るまで、そう時間はかからなかった。彼女が亡くなったその日の午前中、彼女が「パキって」ふらふらになりながら、笑って転げ回る動画を見た。「最高」と笑う彼女がどうしてその数時間後に飛び降りたのか、いつも一緒にいる仲間たちは、誰も知らなかった。  話を聞いたSちゃんの友達は、彼女が自殺したと聞いた時、「本当に良かった」と泣いたのだと話した。「やっと楽になれてよかった」と思ったのだそうだ。  結局、彼女が亡くなったことは、1日も経たない間に話題にものぼらなくなる。お互いを親友だとTwitter(X)プロフィールに載せあっていた女の子のプロフィールからは、あっけなくSちゃんの名前が消えた。取材の中で、話を聞いた男の子がいった。「珍しいことじゃないから大丈夫」と。Sちゃんが生前、「唯一心を許せた」と話したトー横。その場所の日常がこれなのだとしたら、やっぱり私は、猛烈に虚しい。  トー横キッズ。人々は、彼女達が危険に晒される現状を「自業自得」だと笑う。自業自得、果たしてそうだろうか。頼れるはずの大人たちに何度も絶望し、「大丈夫」と笑うしかなかったSちゃん。私たちにできることは何なのか、この取材を通して向き合いたい。いつか彼女たちの言う「大丈夫」が、本物になるように。 <TEXT/yuzuka>
エッセイスト。精神科・美容外科の元看護師でもある。著書に『埋まらないよ、そんな男じゃ。モノクロな世界は「誰かのための人生」を終わらせることで動きだす。』『君なら、越えられる。涙が止まらない、こんなどうしようもない夜も』など。Twitter:@yuzuka_tecpizza
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厚生労働省が自殺防止のためホームページで紹介している主な相談窓口は次の通り。
▽いのちの電話
(0570)783556(午前10時~午後10時)
(0120)783556(午後4~9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)
▽こころの健康相談統一ダイヤル
(0570)064556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)
▽よりそいホットライン
(0120)279338(24時間対応)
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