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「大学を楽しみたいなら部活はNG」と東大生が断言するワケ。「“実家が太い人”の苦労体験コーナーにすぎない」

暗黙の了解として「五限の授業」を取ってはいけないワケ

部活動の暗黙の了解

※画像はイメージです。以下同

応援部チアリーダーの練習を見学した時には、練習後のミーティングで遅刻者が「五時間目の授業のせいで練習に遅刻しました。皆様には多大なるご迷惑をおかけしました。大変申し訳ありませんでした」と謝る様子を目にしました。 そもそも僕が所属していた当時は、暗黙の了解として「五限の受講」は「申し訳ないこと」でした。 先輩がご飯をおごってくれるのはもちろんそうですが、これは「面倒見がいいから」ではなく、「先輩がおごるべき」という不文律があるからです。自分が先輩になったときは、やはり後輩におごらなくてはいけない。 「部活を自主運営する」のは、「部活以外に様々な運営に関する業務が発生する」ことを意味します。結果として、練習時間以外の稼働時間が発生し、自分の時間はさらに減る。 内部は今時珍しい完全な年功序列で、上級生は下級生に対して絶対の権限を持ちます。 特に最高学年である4年生の権力は別格で「神」とも称される。3年まではゴミ扱いで、4年生以外に価値は認められません。これは実力に関係なく、明らかに下級生のほうが実力を持つケースでも崩れません。

実家が太い人たちの「苦労体験学校」のよう

時間がないので、まとまった時間アルバイトをするのも難しい。そのくせ、部費や活動経費(応援場所までの交通費は原則自腹です)、後輩へのおごり代などでどんどんお金は消えていく。 そのため、少なくとも東大の応援部に関しては、実質「東京出身者」と「実家が太い地方出身者」しか入れません。地方から出てきて一人暮らしの資金を稼ぎながら、部活動もしっかり参加するのは、ほぼ不可能です。 東京出身の私ですら、奨学金を借りていなければ、学費を稼げず入部は事実上不可能でした。ある程度実家が太い人たち向けの「苦労体験コーナー」と化しているのが現状です。 応援部時代は、どうして先輩や同級生が、必要もない苦労を自ら進んで背負いに行くのかが不思議でたまりませんでした。 ただ、今ならなんとなくわかります。箱入りの子どもたちにとって、ちょうどいい「世間の厳しさ」を教え込まれる教練学校のような役割を果たしていたのでしょう。 応援部の所属部員には、「親が応援部」のパターンも多い。礼儀と苦労を叩き込むなら、これ以上安心できる環境はありません。 都会生まれの人間が1週間くらい田舎に行って「田舎の暮らし」を体験するようなもので、本当に苦労をしたいわけではありません。本当に苦労をしたことがある人間なら、不要な苦労を自ら背負いに行くはずもありませんから。
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1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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