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中国にウンコ入り食品があった!

 杜撰な衛生管理が原因となり、死者も出る事態となったユッケ食中毒事件。しかし中国では、杜撰という言葉では済まされない、不衛生極まる食品・製品が氾濫している。『半島都市報』(5月27日付)によると、山東省の農村部にあるザリガニ養殖池で、人糞を餌として与えていることが発覚。養殖池からはヒドい悪臭が漂っていたというが、養殖業者は「人糞が一番よく育つ」と平然と答えたという。ちなみに、ザリガニは中国では食材として大人気。すでに全国に出荷されているという。  一方、重慶市では人糞から食用油を精製し、販売していた業者が逮捕されている。この業者は、市郊外にある住宅街の下水溜まりから人糞を盗み、濾過したのち加熱。食用油として売り捌いていたという。聞くに堪えない話だが、地元警察は「多くはすでに消費された可能性が高い」とコメントしている(『重慶晩報』4月10日付)。  深セン市在住の留学生、岡本宏大さん(仮名・26歳)も、耳を疑うような話を聞いた。 「中国では、路上で生ゴミのような臭さが特徴の『臭豆腐』の屋台が出ているんですが、中国人の友人は『絶対に食うな』と口を揃えます。臭豆腐は臭ければ臭いほどうまいとされるため、人糞を混ぜる業者が実際にいるそうです」  嗜好品にもウンコが混じっている。中国で氾濫している偽タバコに人糞混入が指摘されているのだ。英紙『ニュース・オブ・ザ・ワールド』(5月22日付)によると、マラウイ共和国にある、中国向けに輸出している偽タバコ工場の製造機械から、頭髪や昆虫の卵、殺鼠剤などのほか、人糞が検出されたという。近年、中国で販売されている偽タバコには、アフリカ在住の中国人によってアフリカで製造・輸入されたものが多く、それらが香港経由で世界中に流入しているというから恐ろしい。  いくら悪徳業者とはいえ、人の口に入る食品に人糞を利用することにためらいはないのだろうか。ウンコ食品・製品の横行について、中国在住のライター・吉井透氏はこう話す。 「中国ではその昔、人糞を原料とする漢方薬もあったし、今でも地方に行けば、ボットン便所の真下が豚小屋になっていて、人糞を飼料にしている農家もある。つまり、中国人は人糞を有効活用することにあまり抵抗がないんです。最近では、糞尿から発生するメタンガスによる発電システムも注目を浴びており、人糞の需要は今後も増えるのでは。そうしたなか、農村部では、肥料用に販売される人糞の価格も上がっている。近い将来、投機対象となり、高値で取引される日が来るかもしれません」  広州市近郊在住の貿易商・田中俊政さん(仮名・46歳)も、人糞価格の上昇を物語るような光景を目にしたという。 「市内にある公園の公衆便所の前で、2台のバキュームカーが向かい合って止まっていて、その脇で男たちが乱闘を繰り広げていたのを見たことがあります。汚物を回収して販売する汲み取り業者同士による、縄張りをめぐる争いだったのです。買い取り価格が昨今のインフレで、高騰してるようです」  しかし、排泄した人糞を再び食品に製造して消費するとは、まるで“永久機関”のようである。これぞ究極のエコかも!? <すべて実在! “尿食品”の数々> 4年前に大騒動となった「段ボール肉マン」などかわいく思えてしまいそうな、禁断のウンコ食品の数々。一方、尿に関しても、中国では以前から食材として利用されてきた。古くはその抽出物を漢方薬として利用した歴史もあり、尿食品はウンコ食品以上にまかり通っているのだ。身から出るものは一滴たりとも無駄にはしない。我々も見習うべきかもしれない!? ◆童子尿 「万病に効く尿」として販売。30mlで2万円! ◆童子蛋 小学生男児の尿で茹でた卵。浙江省の文化遺産に指定! ◆合鴨の羊尿漬け 安い合鴨の肉を尿に漬けると羊肉のようになるとか ◆牛尿 牛乳に牛の尿を混ぜて水増しした悪徳業者が存在 ◆尿チャーシュー 古くなった豚肉を豚の尿に浸してチャーシューに 取材・文/奥窪優木 【中華人民毒報】 行くのはコワいけど覗き見したい―驚愕情報を現地から即出し SPA!獨家報導 vol.155 禁断のウンコ食品編
1980年、愛媛県生まれ。上智大学経済学部卒。ニューヨーク市立大学中退後、中国に渡り、医療や知的財産権関連の社会問題を中心に現地取材を行う。2008年に帰国後は、週刊誌や月刊誌などに寄稿しながら、「国家の政策や国際的事象が末端の生活者やアングラ社会に与える影響」をテーマに地道な取材活動を行っている。2016年に他に先駆けて『週刊SPA!』誌上で問題提起した「外国人による公的医療保険の悪用問題」は国会でも議論の対象となり、健康保険法等の改正につながった。著書に『中国「猛毒食品」に殺される』(扶桑社刊)など。最新刊『ルポ 新型コロナ詐欺 ~経済対策200兆円に巣食う正体~』(扶桑社刊)発売

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