35歳から始まる「中年の危機」の正体
中年の危機を誘発するストレスの中には、現代社会特有のものもある。パソコンを扱うことが原因で生じる「テクノストレス」と呼ばれるものだ。これは、著しい技術の進歩や需要の変遷に順応できず、強いストレスや将来に不透明感を抱いてしまうというもの。うつ病を発症したり、社内でのポジションを失い退職するケースが近年、増加している。
ゲーム制作会社に20年間勤務し、コンシューマー向けのゲーム制作に力を注いだ川崎伊知郎さん(仮名・38歳)もそのひとり。
「いわゆる家庭向けゲーム機用のソフト制作ですね。徹夜続きの部署だったけど、数年前までは社内でも花形部署でやりがいもあった。ところがここ数年、ゲームといえばスマホのアプリゲームが主流となったことで仕事が激減。僕たちのような職人タイプの社員よりも、アプリを量産することができるオペレーターが重宝されるようになったんです。在籍していた部署は年々縮小していき、肩身は狭くなるばかり。周りを見渡しても自分より年上のクリエイターがほとんどいないことに気づき、このままでは埒が明かないと思い、衝動的に退社しました」
あまりにも急な時代の変化に、将来への不安を募らせた川崎さん。退職後、一時期は引きこもり状態に陥った。
「60歳になっても続けられる仕事を、と思って次の仕事を探すのだけれど、何を選べばいいのか正解がわからない。退職してから3か月は悶々と引きこもり生活が続き、食も細くなった。キツかったですね。クリエイティブな職業は潰しがきかないと身に沁みたので、『とにかく長く現役でいられる仕事を』と考え抜き、ゲーム系から一転してデータベースの管理に就こうと目標は定まりました。現在は資格を取るため学校に通いながら猛勉強中です」
同様の事例は、デザイン業界やIT業界でも進行中。対岸の火事ではないのだ。11/26発売号週刊SPA!では「35歳から始まる中年の危機の正体」と題した特集を組んでいる。「『中年の危機』なんてまだ早い!」という言う方にこそ読んでほしい企画だ。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
![]() |
『週刊SPA!12/3号(11/26発売)』 表紙の人/丸高愛実 電子雑誌版も発売中! 詳細・購入はこちらから ※バックナンバーもいつでも買って、すぐ読める! |
【関連キーワードから記事を探す】
「少額でもとにかく早く始めたほうがいい」40代が“初めての資産運用”で失敗しない方法
47歳の元パチプロ「破滅の始まり」を語る。高校中退してパチプロになるまで
43歳アルバイト、年収250万円男性の苦悩「恥ずかしくて友達には会えない」
新卒での就活失敗を今も引きずる40代非正規雇用者「世帯年収は260万…娘の進学希望も叶えられない」
「40代でも、スムーズに幸せな結婚ができる男性」に実は共通している特徴
「女は介護に使える」“男の子が欲しかった両親”から虐待を受けた29歳女性。暴行の後遺症に苦しむ「その後の人生」
桜蔭中高から現役で東大合格。挫折知らずの”超エリート女子”がうつ病を発症し麻雀プロになるまで
「退職代行も使えない」うつ病で休職中の中学校教員が語る“定額働かせ放題”の実態
上司のパワハラで“パニック障害とうつ病”を発症した新人OL。夜職を選んだワケは「稼げるし、優しい」
朝の勃起が減る、よく眠れない…40~50代男性なら「更年期障害チェック」を試してみて
ユニクロ・GU・無印良品「1290円は破格すぎる」「極上の素材感」絶対に買い逃してはいけない“春の新作8アイテム“
早稲田卒の41歳男性が専業主夫になったワケ。子ども6人と年収700万円の妻、月の小遣い3万円の幸せ
年収1000万円を捨てて岐阜県に移住した45歳男性。年収は800万円減でも「たまらなく幸せ」な生活
疲れ果てた脳のスイッチを切ろう!脳神経外科医が教える「孤独が脳にいい理由」
ただ座るだけで雑念が消える「チェアリング」とは?「やった週は仕事も数倍はかどります」
ママ友に“利用され続けた”30代女性。会計時に店員が言った「スッキリする一言」で縁を切ることができたワケ
家庭も職場も父親が支配…絶望する20代男性に、取引先社長が放った“救いの言葉”
「いっしょに暮らそう」突然現れた見知らぬ老人の正体は…怒りと絶望に苛まれた40代男性の思い
「助けたのに感謝の一言がなく、ダメ出しまで…」イラッとした相手への対応の正解。ひろゆきが考える“ズルい”言いまわし
「体を弱らせる国の陰謀」エアコンをつけない主義の母が心変わりした“まさかの出来事”