芸能人の信者も多数!伝説的パンクバンド「ニューロティカ」の魅力とは?
「ニューロティカ」というパンクバンドをご存知だろうか。40代の読者であれば名前くらいは聞いたことはあるだろう。30代で知っていたら、かなりのロック通といってもいい。バンドブーム全盛の‘84年に産声を上げ、‘90年にメジャーデビュー。THE BLUE HEARTS、JUN SKY WALKERと並び“80年代ロック御三家”と称されているといえば、初めて名前を聞く方でもその人気のほどがわかるであろう。
そんなニューロティカが今年で結成30周年を迎えた――と聞けば、名前を知っていた方も「まだやっていたのか?」と驚くかもしれない。‘96年にインディーズで活動し始めてからは、お茶の間で姿を目にすることもなく、300曲以上ものシングル盤は、ほとんどがオリコン圏外。いわゆるメジャーシーンからは遠く離れたところでの活動がメインだったわけだが、その胞子は、現在のメジャーバンドにも受け継がれていた。
高校時代、ニューロティカに憧れてコピーバンドを結成していた氣志團のほか、PUFFY、175Rなど、様々なミュージシャンに影響を与え、今も変わらぬ支持を受け続けている。ミュージシャン以外を見ても、ニューロティカの曲「東京DYNAMITE」からコンビ名をつけた東京ダイナマイト、宮藤官九郎、バイキング小峠、蒼井優など、芸能界にも熱烈なニューロティカファンは多い。
また、その支持率の高さは有名無名に限らない。以前の記事「クラウドファンディングって何だ?」でも紹介した「キャンプファイア」で「30周年記念自主制作映画」の制作資金を募ったところ、目標金額375万円を大幅に超えた940万3669円が集まったという。これは、日本のクラウドファンディング史上、自主制作映画では過去最高の資金調達額だという。
さて、そんなニューロティカは今年に入ってから、90年代に脱退したオリジナルメンバーを再集結したワンマンツアーなど、30周年記念イベントを行ってきた。現在はアツシ(Vo)が50歳を迎えるにあたり、「生誕50年祝賀大祭」と銘打ったイベントを全国各地で開催している。取材陣は10月18日に「渋谷TSUTAYA O-EAST」で行われたライブを訪れてきた。
フラワーカンパニーズ、氣志團、JUN SKY WALKER(S) POTSHOTといったニューロティカの盟友ともいえるゲストたちのライブで場内は盛り上がり、「いよいよ登場か?」といったところで場内が暗転。ステージ中央にアツシの遺影と祭壇が出てきたところで場内は大爆笑。
そして白塗りピエロとメンバーたちが登場し「嘘になっちまうぜ」からスタート。そして80年代の名曲「…To Be Harlem」、ライブの鉄板曲「気持ちいっぱいビンビンビン!!」と続き、激しく、イタズラ心満載のパフォーマンスとMCが続く。
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客席を見渡すと、オールドファンばかりでなく、若いお客さんもニューロティカコールを繰り出し、タオルを回している。普通、これだけの古参バンドとなると、「バンドと一緒に客も成長していく」といわれるように客層もオールドファンばかりになっていくものだが、世代を問わず、誰もが「初めて見る世界観」を味わえるのは、ニューロティカのライブの最大の特徴かもしれない。
アンコール後のラスト2曲、「チョイスで会おうぜ」、「DRINKIN’ BOYS」でも、「ロック」の線引きにとらわれない音楽世界をステージ上で体現するニューロティカ。パンクバンドと聞いてピストルズのシド・ヴィシャスのような退廃的な破滅衝動を想像する方も多いと思うが(ピエロのビジュアルを見ればそれが違うのは一目瞭然だが)、ニューロティカの魅力は「明るく、楽しい、型破り」に尽きると思う。ライブ情報はホームページ(http://newroteka.com)に公開されているので、是非、生で見て、その世界観を体験してみてほしい。
●あっちゃん(日本のロックの中心)生誕50年祝賀大祭
10/18(土)TSUTAYA O-EAST ニューロティカ SETLIST
01:嘘になっちまうぜ
02:…To Be Harlem
03:気持ちいっぱいビンビンビン!!
04:パンクロック未来地図
05:ロックンロールクレイジーラン
06:絶対絶命のピンチに尻尾を高く上げろ!
07:チョイスで会おうぜ
08:DRINKIN’ BOYS
<取材・文/日刊SPA!取材班 撮影/丸山剛史>
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