おバカでもプレーは規格外!日米野球はヤシエル・プイグに注目
いよいよ今日から始まる日米野球2014。8年ぶりの日本開催で士気が高まるファンも多いことだろう。そんな中、日刊SPA!がイチオシの注目選手がいる。ドジャースのヤシエル・プイグ外野手(23歳)だ。
今年のMLBメンバーは29名の精鋭が集った。岩隈久志(マリナーズ)、和田毅(カブス)らと共に選ばれたプイグ選手はとにかく“規格外”の選手。おまけにちょっと「おバカ」という実に憎めないキャラの持ち主なのだ。
攻撃時のサインミスや、守備時のアウトカウントの勘違いは日常的。そのためプイグが出塁するとドジャースの1塁ベースコーチは、キューバ出身のプイグのためにスペイン語で「今、何アウトか?」と毎回しつこくプイグに確認するようになったとか。
それでも走塁や守備の勘違いやボーンヘッドも完全には断ち切れず、「不用意なアウトや失点」を与えてしまい、味方投手陣から睨まれることもしばしばのプイグ。ドジャースのネッド・コレッティGMにその点を直撃してみると「他の誰にも真似できないプイグのラン・プロデュース力は魅力的だろ(笑)」と、諦めともつかない返答。
そんなプイグ選手の「規格外」の伝説を紹介しよう。
◆ファウルでもないのに止めたバットが真っ二つ!
メジャーデビュー2年目を迎えた今年8月8日。ミルウォーキーでのブルワーズ戦での7回の第4打席に「事件」は起きた。ブルワーズのサウスポー、デュークが投げた低めの半速球に反応したプイグ。次の瞬間、プイグはバットを止めたが、ヘッドスピードの速さに940gのバットは耐えきれず、バットは根元から真っ二つにポッキリと折れる「事件」。
※【動画リンク】http://m.mlb.com/news/article/88675286/yasiel-puig-is-so-strong-he-snaps-hia-bat-checking-a-swing
ご覧いただければわかるとおり、一見するとファールチップにも見えるこの動画。実際にはバットにボールは当たっていないが、プイグも一塁に1、2歩走りだそうとしているのが確認できる。マンガの世界を地で行くこの光景に、現地の実況も「ハーフスイングでバットが折れるなんて! 信じられない光景だ! 新たなプイグ伝説だ!!」と興奮まじりに伝えた。
◆背番号はジミ目の「66」
日本では「エースの背番号は18番」と定着しているように、プイグの母国キューバでは、そのチームの最も素晴らしい選手は「11」をつける傾向が強い。ところがドジャースに昇格したプイグが自ら選んだのは「66」。このチョイスには周囲も首をひねるばかりだという。
◆キューバから小型ボートで亡命
一攫千金を夢見て、命がけで小型ボートに乗ってメキシコまで亡命したプイグ。昨年マー君がヤンキースと交わした7年1億5500万ドル(約165億円)には及ばないものの、ドジャースはプイグに7年総額4200万ドル(約48億円)で契約。しかもドジャースの経営陣はキューバ国内での「超ド級の噂」を元に、プイグのプレーをほとんど見ずに契約を決めたことでも話題となった。
昨年6月のメジャーデビュー戦では2試合目で2アーチを放つと、昇格からの5試合で4発のホームランを放って全米にその名を轟かせたプイグ。メジャー史上120年の歴史上、初めてとなる「デビュー月に月間MVPを獲得」という実力は本物だ。当時のドジャースは最下位に低迷していたが、プイグの攻守に渡る活躍が起爆剤となり、ドジャースは昨年、今年とナ・リーグ西地区でペナント2連覇を達成した。ひとりでチームを一変してしまうほどのプレーこそが、プイグの最大の魅力だ。
11日に行われた「日本プロ野球80周年記念試合」では阪神・巨人連合を相手に5番・ライトで先発出場したプイグ。今日からはじまる侍ジャパンとの真剣勝負では、プイグのバット、プイグの守備を見て、新たな伝説の語り部となってほしい。
<取材・文/小島克典(スポーツカルラボ)>
http://www.facebook.com/SportsCultureLab
スポーツをカルチャーとして表現するメディアコンテンツ制作ユニット。スポーツが持つ多様な魅力(=ダイバーシティ)を発信し、多様なライフスタイルを促進させる

【関連キーワードから記事を探す】
今季の大谷翔平「5つの変化」が“成績伸び悩み”の要因か…「右方向への打球が急増」「打撃妨害ゼロ」が意味するものは
「敬遠されない」大谷翔平に“明らかな異変”…初球打率.133「消極的打撃」がもたらす“負の連鎖”
「制球難」佐々木朗希の“救世主”が攻守に不振…ドジャースが迫られる「究極の選択」とは
佐々木朗希「ロッテ時代をしのぐ“過保護ぶり”」のワケ。ドジャース先発陣“崩壊寸前”で佐々木が背負う「期待と重圧」
新庄監督が苦言…“裏切り移籍”と波紋を呼んだ上沢直之の「日ハムとの直接対決」はいつになるのか
1日300杯売った“ビールの売り子”が暴露する「女の戦い」の舞台裏。客の目につかない裏で“嫌がらせ”されることも
「14試合26得点」で最下位も…中日・井上監督の「隠れたファインプレー」とは。DH導入でセの貧打は救える?
“あと3勝”で通算200勝の田中将大以外にも、名球会入りする選手が続々と登場する可能性も。セ・パ両リーグで「今年達成されそうな記録」まとめ
「今年こそは完全優勝する!」横浜DeNA・三浦大輔監督が語る「最弱チームはなぜ生まれ変われたのか」
「日本はアメリカの野球を変えている」メジャーリーガーが真似できない、日本人投手の“脅威の能力”とは?
イチローが引退会見で語り尽くせなかったこと
45歳で選手復帰、イチローの名言10選「感情を抑えること。出したら自分が壊れるだけ」
元・巨人のキャプラー監督に“人身売買”疑惑。FBIがドジャース他の“選手買い”を捜査
大谷翔平の命運は?「トミー・ジョン手術」を受けた日本人投手たちのその後
「イチローに興味ない」発言をNHKで晒された林修先生の受難
この記者は、他にもこんな記事を書いています