球界初のメジャー出身監督・井口資仁は最下位球団をどう建て直すのか?
日本球界初の「メジャーリーグ出身監督」がついに誕生した。青山学院大時代はアトランタ五輪で銀メダルを獲得。福岡ダイエーホークス(現ソフトバンクホークス)では王貞治氏の薫陶を受け日本一に貢献。メジャーに渡った後もホワイトソックスで世界一を戴冠し、日本球界に復帰した後も千葉ロッテマリーンズで日本一を経験した。昨年現役を退くと、即、千葉ロッテの監督に就任。常に野球界の頂点にいた男は、最下位のチームをどう立て直すのか? チームの再建に挑むメジャー仕込みのビジョンに迫る!
――井口さんのキャリアを振り返ると、過去に一度だけ最下位がありました。昨年は生涯2度目の最下位で球団史上ワーストの87敗。最下位チームの監督就任となりました。
井口:僕のなかでは、改革できる絶好のタイミングだと思うんです。例えば3位、4位で受け取るより、何かを一気に変えるのであれば「今」かなと。今なら自分の色を目いっぱい出せる順位。ハードルはかなり高いですが、やりがいを感じてます。
――「やりたい野球」と「できる野球」は別物と思いますが、井口監督が目指すマリーンズの野球は?
井口:やりたい野球は、打って守って走ってです。全員が3割30本30盗塁すれば勝ちますから(笑)。でも実際そうはいかない。例えば相手ピッチャーにエース級が来れば、何とか2点もぎ取って、1点で抑えて勝つとか。相手チームによって作戦は変えていきたいです。ホークスみたいにピッチャーが何点取られても、打線は5点取りますとか、そういうチームではないですから。うまく足を絡めて、アウトを相手に稼がせないような野球を目指します。
――今季のマリーンズの戦力は?
井口:現状のチームは、決してバカバカ打って勝てるチームではないし、ピッチャーが常に2点台で抑えるチームでもない。そのなかで何ができるかと考えるとやっぱり「足」を使った野球だと思うんです。
――なるほど。
井口:何年も前からこのチームは走れる選手が多いのに、なぜ走らないのかと思っていました。走りたくてウズウズしている選手もたくさんいる。そうであれば自分が現役時代にやってきた、足を絡めた野球はできるなと。足に不調はないのでチーム全体で目標を掲げてやっていきたい。
――監督就任の要請を聞いたのは?
井口:前監督が昨年の8月の中頃に退任を発表されて、(球団から)すぐに声をかけていただきました。正式には8月末頃でしたか。でもその時は自分の引退試合を控えていたので、「そうですか、ありがとうございます」って簡単に返事をしていました。
球界初メジャー出身監督の大改革論
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