「とりあえずビール」は古い? 若者のビール離れの実態を調査した
事件は連日の酷暑で人々を苦しめた、2018年8月に発生した。その日、知人男性と恵比寿にあるBAR的なところで飲んでいた記者。記者は無類のビール好きで、会場地となった恵比寿に媚を売るわけではなく、ごく自然と『ビール』を飲んでいた。
酒の力を借りて途端に大胆になる、根っからの小心者である我々は、ナンパを開始した。話しかけたのは大学生の女性2人組(共に22歳)。しかし、彼女らの衝撃的な発言で記者らのテンションは興ざめすることになる。
「え~! ビール飲んでんの? 古っ!」
女性の顎をやや斜めに上げ、お高くとまった態度から察するに「ビール飲むんですか? かっこいい!」の聞き間違いではないようだ。古いってなんだよ。訳が分からん。「いや、ビール飲むのが古いはないだろ~」となんとか穏やかさを保って発した記者だが、女性はこう反論。
「私の周りで、ビール飲んでる人ほとんどいないよ~(笑)。」
「確かに~。今はほとんどハイボールとかじゃね?」
と、なんかよく分からねえ白っぽい色の酒を飲みながら話す女性たち。ビールを飲んでいるだけで古い人間扱いされた2人。そんな古臭い人間にLINEを教えてくれるような女性などいないだろう。と、早々にナンパを切り上げ、終電前に家路に着いたことは言うまでもない。そして帰り道、素朴な疑問が記者の頭をかすめた。
「若い人って、本当にビール飲まないの?」
確かに、若者のビール離れの話はよく聞く。が、本当にそうなのか? というわけで、半分は「ビール飲んでんの古っ!」発言をした彼女たちに対する私怨から、若者のビール離れはマジなのか? の調査が始まった。
キリン株式会社が運営する「キリンビール大学」によると、2017年の世界のビール生産量は、約1億9,090万kl(前年比0.1%減)となり、4年連続で減少とのこと。増加を見せた国もあるようだが、日本は(前年比2.1%減)とのこと。若者が飲まなくなったかどうかはさておき、ビールの生産量は減少しているのは事実のようだ。(出典:キリンビール大学)
また、平成28年のビール出荷量は4億1,476万ケース(前年比-2.4%)と、12年連続で過去最低を記録している。(出典:業界動向サーチ)
この現象の背景には、様々な種類のお酒が導入されていることが関係しているようだ。確かに、最近では飲み応えのあるチューハイなども数多くあり、お酒の楽しみ方もバリエーションが広がりつつある。こうした新種のアルコールメニューの影響か、一昔前では当たり前と言われていた『乾杯ビール』の常識も崩れかけているという話も多く聞く。『アルコールハラスメント』などの言葉が出来たことで、自分の好きなお酒を自由に飲めることが増えたことも、ビール離れを後押ししたきっかけなのかもしれない。
生産量は減少
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