(鈴木トオル編)
アナログ盤、CD、DVDなど約2万枚以上。さらに雑誌やポスター、グッズ、珍品なども所有し(現在も収集中)、アーティストからも認められるほどの大の音楽ファンのクリス松村が、秘蔵のコレクションからとっておきの1枚を披露!
今週のゲスト鈴木トオルさんは、4人組バンド「LOOK」のボーカリストとしてデビューし、1984年『シャイニン・オン 君が哀しい』が大ヒット。バンド脱退後、ソロシンガーとして愛をテーマにした数多くの作品を多く世に送り出し、年間130本を超えるライブで全国をめぐっています。
鈴木トオルさん
番組のオープニングで、『シャイニン・オン』を披露してくれた鈴木トオルさんですが、ハイトーンはいまも健在! いえいえ、それ以上の迫力なんです。
「この歌はバラードで、メローなイメージですが、僕はずっとロック畑を歩いてきたので、弾き語りになると、どうしてもロックになるんです」
ハイトーンボイスは今も健在どころか、ますます磨きがかかってステキ!
音楽との出会いをうかがうと、「父親の兄弟が1ダースほどいましてね」というんです。1ダースって12人ですよね?
「下のおじさんは、まだ若くてアメリカのロックやブリティッシュロックのレコードをたくさん持っていたんです。だから、昔は洋楽のロックばかり聴いていました。例えば、60年代に大ヒットしたスコット・マッケンジーの『花のサンフランシスコ』(※1)とか、よく聴いていましたね。デビュー前は、米軍キャンプをまわっていて、その頃よく一緒だったのが、うじきつよしさんの『子供ばんど』(※2)でしたよ」
急きょボーカルが自分に変わって、それが大ヒットに!
意外なことに、デビューシングル『シャイニン・オン』のボーカルは、鈴木トオルさんではなかったそうです。
「この曲を作った千沢(※3)が歌うことになっていたんですが、出だしの高音が、裏声だったんです。プロデューサーが、『裏声はダメだ』となって、僕がちょっと遊びで歌ったら、『トオル、歌えるじゃないか!』と、急きょ、僕がボーカルを務めることになったんです。
『シャイニン・オン』が大ヒットし、一躍人気バンドになりますが、鈴木トオルさんはバンドを最初に脱退。その理由を聞くと……。
人気バンドを脱退した理由は……
「あの頃、シンガーとしてまだ未完成だったのに、生意気で自分勝手で、音楽性の違いから、『やーめた』と脱退したんです。ソロになってから『LOOK』のすごさを知りましたね」
アフリカの大地とギターの形をしたレコードにビックリ!
さて、「クリスのお宝箱」から出したお宝を見て、鈴木トオルさんが、「おーーーッ! BANDAID(バンド・エイド ※4)ですか!」と声をあげました。
見てください、この形!
この形に注目してください。いわゆるピクチャーレコードですが、ギターとアフリカ大陸をかたどったデザインなんです。
「これ、音が出るの? 飾りじゃないんだ!」と鈴木トオルさんの信じられないお言葉に、「えーーーッ! 困ります、音が出ますよ」と私のほうが逆に驚いちゃいました。
ちゃんと音が出るんですよ!
「バンド・エイド」は、エチオピアの飢餓を救おうと、世界的なミュージシャンが集まって歌った「Do They Know It’s Christmas?」が大きな話題になりました。ボーイ・ジョージや、私の愛するジョージ・マイケルも歌っているんです。
2016年のクリスマスの時にジョージが天国に逝ってしまって、私はとてもショックでした。亡くなって1週間後、私はマイケルの家に花をたむけに行きました。「バンド・エイド」から35年。不思議なことに「LOOK」もデビューして35年なんですね。
スタジオライブで、もう1曲、『追憶の少年』を披露していただきました。鈴木トオルさんは、「少年」という言葉が、とてもよく似合うシンガーでした。
鈴木さんは、今でも少年のようでした
心に刺さる鈴木トオルさんのハイトーンを、ぜひ12月21日放送の番組でご覧ください!
(※1)『花のサンフランシスコ』は、スコット・マッケンジーの1967年の大ヒット曲。『夢のカルフォルニア』や『マンデー・マンデー』等の名曲を持つママス&パパスのリーダー、ジョン・フィリップスが作った作品
(※2)「子供バンド」は、俳優、キャスターなど、さまざまな顔を持つタレントのうじきつよしが在籍した伝説のロックバンド。ダイナミックなライブに定評があり、1988年に解散するまで、2000回のステージを達成。奥田民生をはじめ、多くのミュージシャンに影響を与えた
(※3)千沢仁さんは、1985年にバンド「LOOK」を組み、デビュー曲『シャイニン・オン 君が哀しい』の作詞、作曲を始め、「LOOK」のリリースした4枚のアルバム曲のほとんどを手がける
(※4)「バンド・エイド」はエチオピアの飢餓のチャリティ活動のため、1984年にイギリスで結成。デヴィッド・ボウイ、ポール・マッカートニー、ジョージ・マイケルといった世界的なミュージシャンが集まって歌った『Do They Know It’s Christmas?』が大きな話題に
タレント、音“楽”家(おんらくか)。
邦楽、洋楽問わず、音楽好きが高じて、番組出演にとどまらず、テレビやラジオの番組監修、構成、音楽解説なども手掛ける。TOKYO MX『
ミュージック・モア』(毎月第1・第5土曜日午前11時30分放送)ではレギュラーMCを務める。