連休を利用して竹島に上陸してみた!
5月15日発売の週刊SPA!では、他にも、竹島のお隣、鬱陵島島民のいたってのんきな声などを探っている。領土問題最前線の光景やいかに? <取材・文・撮影/エイブリー・ヤス(本誌)>
4月中旬には石原慎太郎都知事の「尖閣諸島購入発言」で中国と対峙。5月中旬時点で島購入資金の寄付金が4億円に達するなど、問題はヒートアップしている。そんななかもう一つ、韓国と揉めている竹島に小誌記者が突入した!
ご存じのとおり竹島は北緯37度14分30秒、東経131度52分の日本海に位置する小島。現在は韓国が実効支配しているが、実は韓国人以外も行くことができる。ただし現在は、韓国経由で上陸しなければならない。今回、記者はソウルから高速バスで韓国東部沿岸の江稜まで移動し、フェリーで韓国領の鬱陵島に停泊するルートをとった。竹島までは、そこからさらに船で行く。
ただし、必ずしも上陸できるわけではない。波の状態により、上陸できるのは年間30回前後なのである。記者は、そのチャンスをものに出来るのだろうか?
鬱陵島に着き、「どこから来た?」と聞かれ「日本です」と答えると一瞬、妙な雰囲気に……とっさに「日本人じゃありません」とごまかすと、もとの空気に戻った。場所が場所だけに、緊張感が走る。
翌朝、フェリー乗り場へ。前日までの曇り空が綺麗に晴れている。竹島行きフェリー内はトレッキングウェアを着た50~60代の観光客で埋め尽くされている。ツアーコンダクターは「今日は年間通して、これ以上ないぐらいの良天候。必ず上陸できますよ!」と言う。波がすごいので必ず酔い止めを持っていくように、とも念を押された。だがたいした揺れもなく一時間半後、ついに竹島が見えてきた。
「上陸制限時間は20分です」という船内アナウンスに、船内で歓声が上がる。
ラッキーだった。一秒でも長く島に滞在せんと、観光客が競って降り口に殺到した。
上陸した感想は、「ただの岩」。広さも、30分あれば一周できる程度。浅瀬の海水が日光を受けエメラルド色に光り、岩には無数のカモメが止まる。日韓紛争の最前線として語られる割には、まるで癒し系パワースポットのようである。
島には「独島警備隊」が常駐し、随所で歩哨についている。おばさんたちが「ご苦労様だね」と、水やお菓子などを差し出すので、困っている様子だった。
20代前半とみられる警備員の一人は、奇しくも「嫌韓発言」で炎上した俳優・高岡蒼甫似のイケメン。記者は、海に沈められるのを覚悟でこの警備隊員にインタビューを試みた。
「独島は日本の領土と言われていますが、どう思われますか?」
隊員は一瞬警戒しながらも、簡単に答えてくれた。
「日本が何と言おうとも、韓国のものです。今もこうして我々が管理しているのですから!」
やがて制限時間経過を知らせるサイレンが鳴った。並んで船を見送る警備隊員らに、観光客らが身を乗り出し「頑張れよー!」とエールを送っていた。
警備隊員は緊張感があるものの、ツアー客たちはどことなくのんきな雰囲気なのであった……。
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