雑学

人生に疲れた33歳が「出家して修行をする」に挑戦…で、何が変わった?

――2016年某日某所。私は山奥まで来ていた。目的は「出家して修行をする」ことだった。そのきっかけは、仕事や将来のことで悩んでいたからだ。

 これまでライターとしての経験やキャリアを積み、そこそこの結果を出してきた自負もある。だが、斜陽産業とも言われるこの業界で、本当に将来食っていけるのだろうか? という人並みの不安も抱えていた。社会人となり30歳を過ぎれば、例外なくだれもが仕事や人生を見直してみたくなるものではないか。

山奥

だれもが人生の不安や悩みを解決したい


 私は以前から人生を見直す機会として“出家”や“修行”に興味があった。タイやミャンマーを海外旅行で訪れた際、「男性なら生涯で1度は出家するべき」という話を現地人に聞かされていたからだ。とはいえ、すべての仕事を置き去りにして海外のお寺などに長期で行くわけにはいかない。

 そこで短期間で出家や修行ができるところはないものかとネットで調べているうちに、某宗教法人のホームページにたどり着いたのだ。

 自分探しや就職・転職、引きこもり、登校拒否、自殺願望、うつ病、離婚など、人生における様々な悩みや問題に効果があるとして“修行”をススメており、一般人でも参加が出来るというのだ。ちなみに、修行は半日からオーケー。意外とカジュアルに出家体験ができるらしい。これはうってつけではないか。私は、短期で施設に入ることを決心したのだった。

意を決して短期出家に向かう


 さて、最寄り駅に到着したはいいが、想像以上の田舎。修行施設は山にへばりつくようにして建てられていた。

 ともあれ、交通機関がなかったため、集合・開始時間よりも30分近く遅刻してしまった。「予定の時間に遅れるとはその時点で社会人失格だ!」とか怒られそうな予感もしたが、受付のチャイムを鳴らすと、女性スタッフが心良く迎えてくれた。

 ロッカーで装束に着替え、大広間に行く。すると、すでに20人以上の参加者がおり、書類を記入していた。

 修行の際の挨拶の作法や心の持ちかたが書かれたプリントが数十枚も配られ、なぜ修行をしようと思ったのか、悩みなどを書くようだ。そして最後の紙には、お布施の金額を記入(半日修行7500円/泊まり込み15000円)。

 施設に出家しているらしい弟子がお金を回収にきた後、淡々と修行の注意点などを説明。声には抑揚がなく落ち着いた表情。まさに熟練の修行者といった雰囲気だ。

 説明を聞きながらプリントに目を通すと、

・思考が人生を作る
・病は気から
・消極的な言葉は言わない
・取り越し苦労は運勢を悪くする


 など、どこかのビジネス書や自己啓発本で見たような文言が並ぶ。そのなかに、ときおり「宇宙エネルギーを自分の中に受け止める」などのスピリチュアルな文言が散見されるので、ちょっぴし不安になった(笑)。

 まずは、参加者1人ずつが大きな声で自己紹介をする。

「◎◎県より参りました、藤山六輝と申します。よろしくお願いします!」

 続いて、座禅をしながら「あー」と声が続くかぎり出す。これを10分以上続けると、汗がダラダラとふき出てくる。いろいろな人の声が混ざり合って響き、ハーモニーを奏でる。次第に頭が真っ白になり、心地よくなってくるのだ。

 脳内麻薬でも出ているのだろうか、それが脳みそを支配する。これは、あるいは宇宙エネルギーを受信しているのか。不思議な感覚だった。

 さておき、ココでようやく教祖の登場だ。語り口がやわらかく、いかにも威厳がありそう。だが、話の途中からは、大手企業の社長と仲が良く、施設が新入社員の研修で使われていることなどの自慢話が続いた……。

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修行に参加する人たちとは

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実録!いかがわしい経験をしまくってみました

ウサン臭い通販を試してみたり、怪しい客引きについていってみたり……。挙げ句の果てにヤクザに軟禁されるなど、すべて実体験の体当たりルポ!





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